オープン工法とプレハブ工法との違い
●オープン工法
オープン工法とは、建築基準法に規定された工法で、誰でもが採用できる工法です。
・木造在来軸組工法。
・2×4工法。
・重量鉄骨ラーメン工法。
・鉄筋コンクリート壁式工法。
・鉄筋コンクリートラーメン工法。
・鉄骨鉄筋コンクリート工法。
●プレハブ工法
プレハブ工法とは、あらかじめ工場で生産された部材(骨組、床、壁、天井)を、現場に運んで建てる工法です。工業化住宅とも呼ばれています。構造の基本的な考え方は、一般のオープン工法と同じですが、工場生産や現場での施工性を向上させるために、又 住宅メーカー独自の差別化を図るために、特殊な納まりが開発され、事前に構造の安全性、耐火性、耐久性などの、公的な認定を受けなければならない工法です。
●オープン工法とプレハブ工法のメリット、デメリット
工法 |
メリット |
デメリット |
オープン工法 |
プランの自由性が高い。 |
工期がプレハブに比べ長い。 |
狭小地に適している。 |
施工にバラツキが起きやすい。 |
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将来の増改築がしやすい。 |
工法・構造 |
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プレハブ工法 |
工期が短い。 |
プランに制約をうける。 |
施工品質が均一化している。 |
現場搬入に制限がある。 |
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工法・構造 |
増改築が難しい。 |
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工法・構造 |
標準外(基準外)のプラン・納まり・仕様は割高になる。 |
各種構造の特徴

住宅で、一般的に採用される工法・構造を【表-1】記載しています。
建物の階数・規模、耐火性能、プランの自由性、敷地の形状、前面道路の幅、広い空間の採用、屋上利用の有無、地盤の強度、予算、将来の増改築の対応性などから、最善の工法を検討してください。
※軽量鉄骨ブレース工法は、ピン工法とも言われ、水平力(地震や台風などで生じる横からの力)に対抗するために、壁に斜め材(丸鋼など)が入りますので、開口部の制限をうけます。
又、建物の階数が4階建て以上の場合は、鉄骨造が一般的に採用されています。
鉄筋コンクリート造は、建築費が高くかかり、また、建物自身の重量が重くなり、基礎工事が割高となります。
●木造軸組工法(在来工法)

日本に古くから伝わる建築工法で、柱の上に梁をのせて構造体をつくる事から、軸組み工法とよばれています。地震や強風など、横から加わる力に対しては、柱と柱の間に筋交い(斜め材)を入れることで抵抗します。柱と梁の接合は、木材の先端にホゾ(突起)をつくり、もう一方の木材に設けた穴とかみ合わせる(仕口)ことが基本です。さらに金物を併用して強度を高めます。木造軸組工法は、他の構造に比べると構造上の規制が少なく、軸の位置や長さが比較的に自由に設定することができ、開口部を大きくとったり、広くて開放的なプランも実現できます。また 他の工法に比べ増改築に対応しやすいことが特徴です。但し 木造軸組み工法は、熟練した技術を必要とする工法で、大工さんによって仕上がりにバラツキがでやすいので、信頼できる業者選びが大切です。
●2×4(壁式)工法

アメリカ・カナダから導入され、急速に普及した工法で、輸入住宅といわれる家のほとんどが、北米から輸入した製材を使用した2×4工法です。
木造軸組工法が線で組み立てていくのに対して、2×4工法は面で構成させる工法で、別名、枠組み壁工法とも呼ばれています。
躯体の工程は、まず基礎の上に床根太を一定間隔で並べ、構造合板を張って床を設置。その上に断面寸法2インチ×4インチ(乾燥材の実寸法は38mm×89mm)の木材を枠で組み、構造合板を打ち付けた枠組み壁を組み立てていきます(プラットホーム形式)。4方の壁と天井・床の6面体で構成される2×4工法は、建物にかかる外力をそれぞれの面で分散して受け止めるために、優れた耐震性を備えています。また 施工が簡単で工期も短く、熟練した職人さんを必要とはせず、品質のバラツキも少ない工法です。ただし 壁で支える構造上、大きな開口部がとりにくく、プラン上で制約を受ける場合があります。
※三井ホーム・ミサワホーム・S×L・三菱ホーム・セキスイハイムなど
●軽量鉄骨ブレース工法
木造軸組工法の構造材を軽量鉄骨に置き換え、筋交いに該当するブレース(鋼製丸棒をたすき欠け)を入れ、横から加わる力に抵抗する工法です。一般的には、プレハブ工法として採用されている工法で、工務店や設計事務所では、あまり採用されていない工法です。
●重量鉄骨ラーメン工法
4階建て以上の中高層の建物に採用される工法で、肉厚の厚い鉄骨を用いるので、ブレースや耐力壁が不要で、鉄骨の柱と梁で建物を支える工法です。
骨組みは、工場で製作され、品質の安定性と信頼性は高く、広い空間をとることができ、耐震性にも優れています。ただし、木造軸組工法や2×4工法と比べ、柱の寸法が大きくなり、ムダなスペースが出来やすいので注意して下さい。
●鉄筋コンクリート壁式工法
現場で鉄筋を規定に従って配筋し、型枠を組みコンクリートを現場で流し込んで組み立てる工法です。
圧縮に強いコンクリート(引張りには弱い)と引張りに強い鉄筋(圧縮には弱い)を一体化させることで、お互いの欠点を補い、より高い強度を生み出した、耐震性・耐久性・耐火性に優れた工法です。
鉄筋コンクリート工法には、構造形式として壁式工法とラーメン工法がありますが、壁式工法は、ラーメン工法(柱と梁で建物を支える工法)のような、柱や梁が室内側に出ないので、住宅に適した工法(壁と床で建物を支える工法)です。ただし ラーメン工法と比べると、開口部の取り方が制限される場合があります。また コンクリート自身は柔軟な形状をつくり出すことができ、建物の形状に変化を生み、デザイン性にも優れた材料です。
●木質系プレハブ工法

木質系の材料で、床・壁・屋根をパネル化を行い現場で組み立てる工法で、構造の考え方は2×4工法と同じ壁式工法の一種です。
木材で組んだ枠に断熱材を充填し、合板などの面材を張ったパネルを工場で生産し、それを現場に運んで組み立て、強力な接着剤や釘・金物などで接合、一体化させてつくりあげる。基本的な構造部材の木質パネルは、合理的設計で軽量化が図られ、地震などの外圧にも変形しにくい構造になっています。
●鉄骨系プレハブ工法

主に軽量鉄骨を骨組みの材料として使用されている工法で、一般的には木造軸組と同じく、鉄骨を用いて柱と梁、さらに筋交いに相当するブレース(斜め材)で構成する軸組工法が主流です。
鉄骨の欠点である錆びや腐食に対しては、各社とも独自の防錆対策が施されています。外壁パネルは、木質系不燃パネル、ALC板(軽量気泡コンクリート板)など、住宅メーカー各社のオリジナルな外壁パネルが用いられています。
※積水ハウス・パナホーム・大和ハウス
・三洋ホーム・ミサワホーム・セキスイハイム・トヨタホームなど
●コンクリート系プレハブ工法

工場でつくられ、養生したコンクリートパネルを現場で、組み立て床・壁・天井を構成する工法で、構造の考え方は2×4工法と同じです。
パネルはプレキャストコンクリート(PC)板といわれ、メーカー独自で開発されています。現場打ちのコンクリートと比べると品質が安定していて、耐久性や遮音性・耐火性に優れ、防火地域にも建てられるで構造です。
●ユニット系プレハブ工法

建物を積み木のようなブロック(ユニット)に分け、そのブロックには、床・壁・天井の下地材から、建具・設備まで取り付けを行なった上で現場まで運び、いくつかのブロックを合体して完成させる工法です。
工場での生産率は80%以上といわれるように、現場施工が少なく、工期が短いのが特徴です。構造は軽量鉄骨ブレース工法と2×4工法のユニット工法があります。
各種構造のメリット・デミリット
構造 |
メリット |
デメリット |
木造軸組工法 |
他の工法に比べ構造規制が少なく、デザイン・間取り・敷地に対して柔軟に対応できる。 |
熟練した技術が必要で、施工にバラツキがおきやすい。 |
建物自身の自重が軽く、基礎工事費が安価です。 |
湿気・通風に配慮する必要がある。 |
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将来の増改築が、他の工法に比べ簡単に対応できる。 |
防蟻処理が必要です。 |
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日本の風土に、一番適した構造です。 |
住宅・木造 |
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2×4工法 |
木造軸組工法に比べ、熟練した職人が不要で、安価に対応できる。 |
床から壁へと施工し、合板で組み立てていくために雨が気になる。 |
施工が簡易で、工期が短い。 |
木造軸組工法に比べ、プランの制約をうける。 |
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面で建物を支えるため、耐震性に優れている。 |
壁内の空気は滞留したままで、湿気・内部結露が気になる。 |
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気密性に優れ、省エネ性が高い。 |
住宅・木造 |
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施工品質にバラツキが生じにくい。 |
住宅・木造 |
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鉄骨造 |
木造軸組工法より強度が高く、広い空間が採用できる。 |
鉄骨ラーメン工法は、柱の寸法が大きくなり無駄なスペースが発生する。 |
耐火被覆を行えば、耐火建築物として防火地域でも建築できる。 |
木造軸組工法に比べ、基礎工事に費用がかかる。 |
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住宅・木造 |
鉄骨の熱伝導率が高く、熱橋による壁体内結露が気になります。 |
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住宅・木造 |
サビ対策が必要です。 |
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鉄筋コンクリート造 |
耐火性・耐久性に優れた工法です。 |
建物の自重が大きく、基礎にかかる費用が割高になります。 |
広い空間が採用できる。 |
鉄筋コンクリートラーメン工法は、柱寸法が大きくなり無駄なスペースが発生する。 |
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住宅・木造 |
建築費が、他の工法に比べ一番高くつきます。 |
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整理:弃医转行的工程师
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