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地球の生物は分類学的に、真正細菌、古細菌、真核生物の3種類に大別されるが、地球史の大部分における古細菌の分布や多寡はほとんど分かっていなかった。その未知部分に光を当てる手がかりを、中国の2億5000万年前の地層から発見したと、東北大学が8月23日に発表した。
古細菌の分子化石は、比較的新しい時代であれば地層中から発見できるが、2億年前より古い時代になると、高度好塩菌やメタン冷湧水など特殊な環境下での堆積物を除き、ほとんど発見できなくなる。分子時計による研究では、古細菌は38億年前ごろに誕生しているため、より直接的な証拠である分子化石が38億年前～2億年前にほとんど見つからないことから、手法に課題があると認識されていた。
今回の研究では、東北大学大学院理学研究科地学専攻の齋藤諒介理学博士（現在は宮城県庁職員）と海保邦夫教授らが、中国の約2億5000万年前に堆積した地層から堆積岩試料を採取し、有機分析をおこなった結果、環状構造を持つ古細菌の分子化石（ビフィタン類）と、続成変化生成物を発見した。また先行研究に比べ、より普及度の高い質量分析計を使って、これら有機分子の同定方法を示したことから、他の研究機関への波及効果も期待できるという。
↑ 既知の古細菌の分子化石（結成初期段階）テトラエーテル類（左）と、今回発見された古細菌の分子化石（環状構造を持つビフィタン類およびその続成生成物）（画像作成：齋藤氏）
↑ 今回発見された古細菌の分子化石の時代分布。2億年前より過去は、古細菌の分子化石がほとんど見つかっていない。赤星は今回発見された時代で、緑星と黒星は先行研究で発見されていた時代（画像作成：齋藤氏）
