携帯の普及で16年の歴史に幕
現在の携帯電話の先駆けとなった移動体通信サービス、PHSが16年間の歴史を終えようとしている。携帯電話の普及に伴う利用者減少を受けて、サービスを提供していた「中国電信」が、9月30日をもって業務終了することを決定した。
中国でのPHSサービスは98年、浙江省杭州市余杭区でスタート。06年には、国内外あわせてユーザー数1億人超を記録し、上海市だけでも100万人以上のユーザーが存在した。
人気の理由は通話料の安さ。「受け手側は通話無料」「市内電話1分1角」など、10年前の水準としては魅力的なサービス内容だった。
しかし、通信技術の発展に伴い、携帯電話でも受け手側無料や、市内電話は数分1角などの低価格化が進んだ。さらに、最低300元からスマートフォンが購入できるなど、本体価格でもPHSより価格優位性を確立。3G、4Gのデータ通信をカバーする範囲においても、PHSを圧倒している。
現在、上海市のPHSユーザー数は約3万人。直近で通話実績のあるユーザーは3000人しかおらず、新たな基地局の設置はすでに停止している。
今回のサービス提供終了に伴い中国電信は、ユーザーが割安に同社の携帯電話を購入できる措置を実施する。未使用分の通話料金は新たに購入した携帯電話へ引き継がれ、PHSの使用終了から90日間の間は、PHSへ電話をかけてきた相手に新しい携帯電話番号を伝えるサービスも無償で提供する。【労働報 9月2日 転載】

