中国茶の魅力を日本へ!世界へ!
学校で講師育成、厳選茶葉の販売も
「大高中国茶学校」の大高勇気氏は、21歳で海をわたり中国に進出。各地のお茶の産地を回りながら中国茶とその文化に魅了されていった。多くの人との出会いの中で、中国茶の魅力を日本へ、世界へ発信していくというビジネスモデルを20年、着実に発展させている。同氏にこれまでの経緯と将来の抱負について伺った。

私は2000年に東京調理師学校(中国料理専攻)を卒業後、ホテルオークラ、高輪プリンスホテルにて実習を経験しました。中国料理の中でも特に点心に心を奪われ、本場で修行するために2002年に中国広東省広州市の地を踏みました。中山大学で語学を学び始め、現地の料理学校で専門用語を習得しました。中国国家資格である「初級点心師」にも合格しました。満を持して広州三大園林酒家(飲茶レストラン)である南園で研修をスタートしましたが、研修一カ月でレストランが倒産。せっかく中国に来たのだからと、興味のあった中国飲茶文化の両輪(点心とお茶)のうちの、お茶を勉強することを決意しました。結果、私は次第に中国茶に魅了され、「中国茶の魅力を日本へ、そして世界へ」をミッションとして中国茶ビジネスを創生してきました。
まずお茶を勉強したいと思い、華南農業大学の陳国本教授に師事。2004年に職業訓練学校に入学して中国茶の歴史、種類、産地、成分、製造法など基礎から学びました。中国は栽培地域が広く、地理、地質、気候が異なり、お茶の種類が豊富で約3000種類あるといわれております。これまで100を超える生産地を訪れ、各地で師匠と呼べる方と巡り合うことができました。
福建省の安渓で鉄観音茶を生産している高先生には特に親切にしていただき、お茶作りの全工程を教えていただきました。生産地は市街地から遠く、農家に泊まることも多くありました。茶葉摘みは早朝4~5時に起床。段々畑の下から上のほうへ摘みますが、ベストタイミングはわずか3日間しかないので、収穫期は24時間働くような忙しさです。
ーご自身のビジネスや活動を教えてください。
中国内の原産地まで足を運び、茶畑や生産環境などを確認した厳選茶葉を広東省仏山市の弊社工場にて包装し販売しています。小売については卸会社を通じ外国人がよく利用するスーパーマーケットやホテルを中心にして中国約60カ所で販売しております。弊社のパッケージは、デザイン会社「キッチュ」のデザインによりすべて制作。とても評判がよく、お茶の売り上げにも貢献していただいてます。
上海、蘇州、広州にて開講している大高中国茶学校は、「中国茶芸」「薬膳茶」を教えております。大高中国茶学校は日本の社団法人「日本中国茶文化交流協会」認定の茶学校であり、厳格な試験に合格すれば、初級から高級までの「茶芸師」と「品鑑師」の資格を取得することができます。これまで2180名が大高中国茶講座を受講しており、講座を修了し高級資格を取得された講師が370名ほど日本各地に住んでおられ、その地域で中国茶講座を開講しております。例えば、NHK文化教室や読売文化教室の中に講座を開かれて教えられたり、地元の文化センターで教えられたりと様々です。
現在私が注力しているのは、中国茶を使っての“ティーペアリング”です。アルコールのペアリングとしては、ワインや日本酒があります。ノンアルコールではジュースがありますが、中国茶とのペアリングは未開拓の分野です。現在は東京の広東料理と四川料理の中華レストランにて、コース料理の一貫として平均5万円くらいのコース料理でお茶のペアリングを行っていただいております。これからは寿司屋あるいはイタリアンレストランでの展開も考えております。先日、シェフやソムリエ10人ほどをご招待してのお茶会を開催しましたが、反応もよく、今後さらにティーペアリングに興味を持つレストランも増えるのではないでしょうか。
食を通じた文化交流に貢献したい
当校に通われているのは主に日本人の主婦の方です。中国ならではの、お茶や茶芸の資格が取得できること、安心して飲める中国茶が買えることから広がってきました。取得した資格をもとにして、今度は日本の地元で講師をすることができるので趣味と実益がかなえられることから人気があるのかもしれません。このネットワークを通じてお茶のネット販売へと繋がっています。さらに今、日本で展開しているティーペアリングを実施されたいレストランの紹介もしていただいております。
[大高中国茶教室(上海店舗兼教室)]
住所:上海市長寧区水城南路59号明珠大楼1101室
電話:189-1824-8339(周)
[蘇州店舗兼教室]
住所:蘇州市新区獅山路111号獅山麗昌
電話:186-2524-5302(予約制)
[広州店舗兼教室]
住所:広東省広州市天河区林和中路天誉花園二期B座1502室
電話:133-1878-6390(張)
大高勇気オフィシャルサイト:otakayuki.asia/
中国茶オンラインショップ:otakatea.shop/
大高勇気オンライン講座:otakayuki.teachable.com/

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※インタビュー及び提供資料に基づく情報はすべて取材対象者に由来しており、本誌がこれらの情報の正確性と完全性について、保証するものではありません。
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