
故宮博物院90年、国宝級283点展示
北京市の「故宮博物院」が9月8日より、北宋時代の都開封(現在の河南省開封市)が「清明節」を迎え賑わう様子を描いた全長5m以上に及ぶ画巻「清明上河図」を含む、歴代皇帝所有の“国宝級の名品”283点を公開。同院の開設90周年を記念したこの特別展「石渠宝笈特展」は、9月8日から10月11日までの第1期、10月13日から11月8日までの第2期に分けて開催される。
作品の保全のため展示室の温度と湿度は一定に管理され、観覧人数も1回200人に限定。公開後初めての週末は、博物館外の武英殿に入場6時間待ちの長蛇の列ができた。
目玉となる「清明上河図」は、長さ5m28㎝、幅24㎝の画巻の中に約800人もの人物が登場する大作。河北省北東部を流れていた汴河(べんが)に沿って、宋代末期の開封を生きる市井の人々の衣食住を克明に描写し、芸術的価値はもちろん、風俗研究の資料としても一級の評価を受けている。10 年開催の上海万博中国館では、長さ120 m、高さ6mのスクリーンに拡大投影され、新たに加えられた作中の人物が動く仕掛けで人気を集めた。
作者の張択端は、最盛期の倍率約3000 倍、カンニングの最高刑は死刑、という過酷な官僚登用試験「科挙」に合格したエリート中のエリートで、その中でも一握りの上位者しか勤めることを許されない、政治学問の最高人材が集まる翰林院(かんりんいん)に所属した。同時代の作品の中で世界的に類を見ない詳細な都市風景は、自らも画人として宋代を代表する一人であり、「桃鳩図」が日本の国宝に指定されている“風流天子”徽宗(きそう)皇帝のために描いたとされる。
他にも本展では、唐朝の画家韓滉の名作で、中国十大名画のひとつとされる「五牛図」や、東晋時代に書を芸術の域に高め“書聖”と呼ばれた王羲之の最高傑作「蘭亭叙」の写本など、貴重な“人類の遺産”を数多く目にすることができる。
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