
10月30日に封切られた賈樟柯(ジャ・ジャンクー)監督の新作映画「山河故人」が、公開3日間で累計1723万元の興行収入を記録し、ヒューマンドラマ作品としては異例の人気ぶりとなっている。
急激に発展する中国社会を、地方都市で生きる一人の女性の半生を通して描きだし、今年のカンヌ映画祭では5分間も拍手が鳴りやまなかった注目作だ。
物語は1999年の山西省汾陽市から始まる。小学校教師の女性、沈涛には、2 人の男性が想いを寄せていた。一人は実業家の張晋生、もう一人は炭鉱労働者の梁建軍。やがて沈が張の求婚を受け入れたことで、梁は故郷の河北省へと去る。時は流れ、2014 年。沈と張はすでに離婚し、野心家の張は上海で暮らす。息子のダラーは上海でインターナショナルスクールへと通っている。沈は彼の将来を考え、養育権を放棄していた。そして物語は2025年へと飛ぶ。張とダラーは豪州に移住していた。19 歳になるダラーはほとんど中国語を話せず、2 人のコミュニケーションの溝は深い。やがてダラーは、母と同世代の中国語教師ミアに恋をするが…。「長江哀歌」「罪の手ざわり」など、一貫して現代中国の変貌と、その中で翻弄される人々をテーマとしてきた同監督作品はこれまで、「好評だが売れない」「海外では受賞多数。国内では不人気」と言われてきた。しかし今作では過去、現在、未来という3つの時代を通して描かれた中国の家庭の変化が、若者層を中心に「私たちも直面している選択肢」と共感を集めている。
公開3日間の興行収入1723万元は、過去の同監督作品全てを合わせた興行収入を超えており、業界で「ヒットしない」とされてきたヒューマンドラマジャンルの定説を覆す存在となりそうだ。【現代快報 11月2日 転載 写真は騰訊娯楽と天極図片】
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