古羊路で8年間客の心を掴んできた「九興里」が「九興小館」と名前を改め、5月10日から張揚路の浦東食品城3階で開店している。
欧米メディアも注目した店舗は、アート界の寵児・胡さんが監修。Jimmyの愛称で親しまれる彼は、作曲家を父に持ち幼い頃から芸術に触れてきた。国内外で彫刻、絵画、広告などを学び、アーティストとしても活躍。「九興」は、上海ファッション連盟の執行副会長でありモード雑誌も刊行していた彼が、確かな審美眼で作り上げたレストランだ。小鳥のさえずり、漂う生花の香り、蘭の花を描いた白磁など、食の総合芸術が体験できる。
料理は、崩れる寸前まで二度煮込みされる紅焼肉を筆頭に、手間を惜しまず作られた本物の味わいが揃う。生煎、鉄板焼き餃子などの点心は、特徴的な薄皮の中に季節の食材をたっぷり詰めて。甘酢タレが絡む「熏魚」(28元)は、上海人の子どもたちが新年や節句に食べてきた郷土料理。カリカリのお焦げに沸騰したチキンスープを一気に流し込む「石鍋泡飯」(28元)は、表面に干しエビを散らして一層と香ばしく。
モダンになった伝統料理は、80年代、90年代生まれの新世代に新鮮な発見を与え、口コミでの評価も上々だ。サービスや衛生環境が欧米仕様なのも日本人には嬉しい限り。朝から夜まで通し営業なので、カフェ利用も可。

甘辛タレが癖になる「熏魚」

カリカリじゅわじゅわな「石鍋泡飯」

上海人がこよなく愛する「白斬鶏」(28元)

[九興小館]
住所:浦東新区張揚路601号浦東食品城3階
電話:137-6150-3403
営業時間:10:30~21:00
予算:昼57元、夜90元
席数:90席(個室あり)



