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中国科学技術大学傘下で量子通信技術の開発を手掛ける科大国盾量子は12月3日、浙江省烏鎮で開かれた第4回世界インターネット大会において、移動型量子暗号化システムを、中国電信などと共同で初出展した。各種移動通信設備に接続できるため、災害時などの現場指揮車両等にも投入できる利点がある。
量子通信は、外部から干渉を受けた瞬間に変質する量子の特性を利用したセキュリティ通信技術で、原理的に傍受も解読も不可能とされる。次世代の暗号通信技術として各国が研究開発を繰り広げ、都市内通信ではオーストリアが、小型衛星通信ではシンガポールが世界に先駆けて実施したが、長距離2地点間の通信を可能とする本格的な量子通信衛星は、2016年8月に中国科学技術大学が世界で初めて稼働させた(※)。
国盾量子と中国電信は現在、上海を拠点に地上通信の量子暗号化サービスを金融機関に提供しており、総延長距離1000kmの光ファイバー網をカバーしている。今回出展したQSS-ME(Quantum Safe Service-Mobile Engine)は、モバイル機器から緊急時の衛星通信車両まで、各種の移動通信体に接続できる量子暗号化機器。非常時の現場通信はもとより、旅行中の通信内容なども量子暗号化する。
※BBC 2017年6月15日記事

↑ 今回の出展では、通常衛星を経由する2地点間通信の、地上通過時の量子暗号化をデモンストレーションした(画像はイメージ図、国盾量子のニュース・リリースより)



