資源・エネルギー事業を手掛ける広州の鴻達興業は2月、水素エネルギー事業の強化に向け、日本の旭化成と提携した。2月13日には塩化ナトリウム溶液(食塩水)からの水素生成における協力協定を締結し、2月17日にはそのための大型電解装置を旭化成から購入した。
塩化ナトリウム溶液を電解してクロール・アルカリ(苛性ソーダや塩素など)を生成するクロール・アルカリ・プロセスにおいては、副産物として水素が発生する。鴻達興業は中国では早期から、このプロセスを用いた水素生成法に取り組んでおり、2月13日時点で100万tのクロール・アルカリ生産能力を保有している。
同社によるとクロール・アルカリ・プロセスで副生した水素は、水の電気分解や天然ガスによる水素生成よりもコストや純度で優れており、燃料電池用の水素として利点が大きい。水素を動力源とする燃料電池車の研究開発が中国でも加速していることから、大型電解装置の技術で実績の豊富な旭化成と提携、事業強化を図った。協力協定に基づき2月17日には旭化成から、イオン交換膜法による年間30万tのクロール・アルカリ生産能力を備えた電解装置を購入した。
(鴻達興業2月14日付および18日付発表より)

↑ イオン交換膜法食塩電解装置(鴻達興業2月14日付リリースより)



