上海商城
ShanghaiCentre
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どの国、どの街にも特別な場所がある。
快適に過ごせれば、短い間でも幸福感を感じることができる。
そしてそこが「故郷」と呼べる場所になることだってあるはずだ。
上海商城で暮らすメアリーさん親子
張愛玲（アイリーン・チャン）のブックショップ創業者、メアリーさんとその娘とともに、上海商城での一日に密着した。彼女らを通して現代的かつ、温かみのある生活を体感してみよう。
家、それは心の拠り所
「私と娘が一緒にいるための家は、ここ」
－－メアリー
彼女達の部屋は暮らしやすく装飾され、可愛らしくアーティスティック。長期滞在のためのフラットというより、何年もここに住んでいる「家」にいるような感覚。その家は彼女達に生活の彩りを与えている。
実は、メアリーさん一家は4年前にも上海商城に住んでいたのだという。
「馴染みのある顔、行き届いたケア、設備、そして自分たちに合った選択をするため、また戻ってきたい」ーー、これは彼女の娘の強い希望だった。
「ここは私たちが帰ってきたい、本来の『家』なんです」
「感動した小さなことは、数え切れないほどたくさん」
ある時、タクシーに乗って入り口でバッグを車内に置き忘れたことがあるそう。途方に暮れていたところ、アパートのスタッフが助け舟を出してくれた。上海商城の入り口から監視カメラの映像を入手するのを手伝ったくれただけでなく、映像の中からバッグを探すのに根気よく付き合ってくれて、とても思いやりのある温かい対応をしてもらったという。
このほかにも些細なことがたくさんあり、こうした「家族のような」配慮があったからこそ、彼女はすっかり心を掴まれたのだとか。
「また会えましたね！」
改めて上海商城を選んだ理由を尋ねてみると、「海外生活と帰国を繰り返しているうち、4年前とあまり変わっていないことに気づいたんです。特にスタッフの顔ぶれも同じで親しみやすかったです」とのこと。
実際、メアリーさんは毎朝、娘と愛犬を連れてマンションの下を散歩するが、いつもスタッフの親切で思いやりのある笑顔に迎えられ、愛犬も家族や親しい友人に朝の挨拶をするように、熱心に彼らの周りをぐるぐると回っているという。
「この忙しい都会で、ある人にとってはただの休憩ポイントかもしれない。でも温かさにあふれているので、ついつい甘えてしまうんですよね」 と嘆く。
「負担も、無関心もない。仕事のストレスやどうしようもない疲れを癒し、適度に優しく抱きしめてくれて、現実逃避できる、“象牙の塔”のような存在です」
「スタッフがいつでも丁寧な対応をしてくれることに感謝して手紙を書いたこともあります」
彼らはメアリーさんと娘にいつも同じ家庭的な温かさを与えてくれる安定したチーム。それこそが家庭の温もりと愛情という彼女が重要視する理由で別の場所に離れることができない。
メアリーさんの記憶に残っているのは、彼女が受けたケアだけでなく、彼女の不安を解消してくれたこと。特に疫病流行時、夫と子どもが一緒にいなかった。フラットのチームマネージャーは、いつものスーツとシャツを脱ぎ、黄色のベストを身につけ、奔走。住民の生活のために汗を流してくれた。
ライフスタイルに合わせ自在にアレンジ
「自由度が高い家なので、娘も好きな時に模様替えを楽しんでいます」とメアリーさん。
アート業界に携わるメアリーさんが、どうして変化の少ない生活を受け入れることができたのか。さまざまな本、旅行、すべての出会いがメアリーさんの心に波紋を広げ、その小さな変化を受け入れ、創造していくことが幸せと受け止めるようになった。
時には、ちょっとした芸術的なエッセンスや、技術を加えたりすることも。束縛感がないので、自由にアレンジできるのだとか。
子どもらしい装飾から遊具まで、おとぎ話のお城にだって模様替え自由。もちろんメアリーさんのための秘密の花園に変身させることができる。自分の持ち家のように、束縛や制限を受けず、思いのままに創作できる自由さが、メアリーさんがこの場所を選んだ理由かもしれない。ここは「家のようなもの」ではなく、「家」なのだ。
人情あふれる“音”との距離感
「各家庭で1品持ち寄って食事会をしています」。外では、カルチャーランチを企画するなど、“社交界の女王”に姿を変える。
隣人たちにも恵まれている。自由な発想で文化や考え方が交錯する理想的な状態だとか。また隣人や友人たちと、同じ本を読んでよく感想を言い合う。「文化のぶつかり合いが一番面白い」とメアリーさんは語る。
「ここでの娘との生活は、学習、音楽、スポーツ、そして友人で成り立っています」
娘は、自分で弾いたり歌ったりするのが大好きな小さなピアニスト。メアリーさんも犬も近所の仲間も、音楽好きが多い。時折、一緒に歌ったり、ギターを手に取ったり、フラットの中でおしゃべりしたり、一見無駄な時間のようだが、実はこれが大都会の重荷や束縛が一切ない、気楽でゆったりとした時間を互いに共有させている。
「娘は小さい頃、敷地内の遊び場で何度も遊びました」 4年前の上海生活を振り返って話す。当時は娘の世話に多くのエネルギーと時間を費やさなければならないと思っていたが、アパートのプレイエリアが彼女の自由な育児を手助けしてくれた。
幼い娘をプレイエリアのスタッフに預け、空いた時間に一人で体を動かしたり、読書室でアイリーン・チャンの『小団円』を読んだりすることができた。時々、小さな友達と太陽の下でのびのび遊ぶ娘を見て、本の中の孤独な魂の裸の踊りと、横目に見える平和で静かな現世の対比が、彼女のインスピレーションの一部となる。
「私は友達を作るのが大好き。ここのモーニングコーヒーでは、さまざまな国の友達と話すことができます」
子どもたちが遊んだり勉強する間、彼女は時折、異なる国から来た隣人とモーニングコーヒーを共にしたり、友人と話すことで、アートの世界以外のゆったりした日常を楽しむ。
地に足のついた生活を送る幸せ
「ここでは、スタッフのみんなに甘やかしてもらうことさえあるんです。家族のようなもので、何でもやってくれる」とメアリーさん。
今回の取材時、彼女達は上海で生活しているため、自宅で緊急事態が発生する可能性があった。しかし「何も心配することはありません、ここのスタッフは実際に家族なのですから」とメアリーさん。「留守の場合は宅配便の受け取りや、何かが壊れても、修理してくれて、良い状態で戻してもらえます」。遠く離れた夫や長男に、母と妹が上海で生活していることを安心させられるのは、こうした心遣いがあるからだ。
途中、多くの近所の人たちと挨拶を交わす場面があった。以前上海で家時間が長かった時期に、彼女が班長を務めたのだという。近所の人たちと顔なじみになり、最初の手探り状態から、みんなで助け合い、物資を分配するなど、食糧不足の緊張感とともに、安心感を共有したのだとか。
あの時期、隣人達とはサービス利用者として、身近な隣人として、何でも話せる友人として、そして辛い時を共有する家族として、共に過ごしてきた。
またセキュリティスタッフはどのような時でも、常に万全で、まるで一家の静かな長老のように、「家族」の一人一人の平和とプライバシーを守り、過度に関与することなく、しかし必要な時にはいつでも駆けつけ、彼女と娘に安心感を与えてくれた。
メアリーさんと近隣住民たちは、今では一緒に買い物、食事や運動をし、アートを愛し、様々な展覧会に一緒に行く「最高の友人」になった。この近隣住民たちは、一時的に住む人にとって冷たく遠い存在ではなく、温かい家族のようになり、非常に離れ難い。
互いに尊重し合う“理想の国”
社交的な人も、引っ込み思案な人も、ここで暮らし、少し心を開くことができれば、大きな温もりと好意を得ることができる。見知らぬ街で出会い、同じ星空を眺め、趣味を共有し、大切な人、大切なモノと大切な日々を過ごすことができるなんて、幸運なことではないだろうか。
都市は機械化された集合体ではない生き物みたいなものだ。そしてその中でコミュニティを構築する時、それは温かみのあるものであるべきだ。
にぎやかで刺激的でありながら、静かで心地よい時間も楽しみたい。適度な距離感をつかみながら、純粋にお互いを思いたい、子どもが地域で一人で遊んでいても危ない思いをする心配がないので安心、偶然出会った仲間ともいつでもどこでも話ができる、そんなコミュニティが理想だ。同じような趣味を持ち、気持ちよく暮らせる、それがあなたの“理想の国”ってものではないだろうか？
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メアリーさんのアイドル、アイリーン・チャンは、かつてこう語った。「このきらめく世界で、自分の気持ちままで過ごせる人はいない。でも、上海商城なら自分の心に正直に生きていける」
"上質な暮らしを身近に"
他者を再び受け入れる場所。声と目で、絆を深めよう。愛と温もりで、ビルの冷たい壁さえも抜けられる。ここで立ち止まることができれば、ここがあなたの家になる。
[上海商城・Shanghai Centre]
住所：静安区南京西路1376号
電話：021-6279-8502
