
おいしさ、楽しさ、笑顔を皆様に
「一番搾り」とともに届けたい
キリンビールは「一番搾り」および「季節限定一番搾り」などの製品ラインアップで、中国のプレミアムビール市場において存在感を増してきている。今回は現場の第一線で中国販売を指揮する安藤弘之総経理にインタビュー。「現場主義」を貫く安藤哲学がキリン中国従業員、そして消費者に響き始めている。
ーキリンビールの中国での状況は。
中国のビール消費市場は日本の約8倍、世界最大の市場です。従来は一缶3元程度のエコノミービールが市場の大半を占めていました。しかし近年、クラフトビールやプレミアムビールの消費が急速に伸び、市場シェアを拡大。輸入を含むプレミアムビール市場は日本の市場全体をはるかに超える規模です。中国人の可処分所得の増加、体験型の消費文化の浸透などによる消費行動の変化に起因するものだと思います。
弊社はこのプレミアムビール市場をターゲットにした商品を中国で提供しております。広東省珠海市の独資工場にて生産している「一番搾り」は、日本から派遣した総経理、工場長のもと、日本と同じ製造技術・原材料で作る高品質のビールです。中国では硬水が一般的ですが、珠海工場は日本同様に軟水。キリン独自の一番麦汁だけを搾って製造するスッキリしたコクのある「一番搾り」を可能にしております。
この定番「一番搾り」に、「季節限定一番搾り」である「春、桜デザイン缶」「夏、超芳醇」「冬、とれたてホップ」を日本から輸入販売し、商品力をパワーアップ。さらに中国では珍しい無添加・ノンアルコール(0・00%)の「GREEN'S FREE」など希少性の高い輸入品をラインアップし、「華のある」キリンビールを中国のお客様にご提供しております。お陰様で売上は大幅に伸びてまいりました。

21年の雲南省麗江研修にて
ー中国経験がない状態で、中国に派遣されたと伺いました。
中国語も話せず、中国ビジネスに携わったこともない中、2017年に、急きょ中国の事業全体を統括するキリン中国の総経理を拝命しました。私のミッションはずばり、中国ビジネスの再建。現地従業員は中国事業未経験の私に対し、不安だったでしょうし、お手並み拝見といった様子でした。
私はまず、「キリン中国を最後の職場にする、自分のミッションを果たすまでは日本に戻らない」と固く決意しました。25年間日本の営業現場を渡り歩いてきましたので、中国でも「現場主義」を貫き、徹底的にキリン中国の現場を知り尽くしました。お客様をはじめ、会社全体、従業員の状況を肌で掴むことで、的確な対策を打ち出すことが可能になり、赴任1年目で創業以来初の黒字化達成、その後3年かけて事業利益の黒字化定着を実現。これまでは赤字基調で、活気のなかった会社にも元気がみなぎり始めたと感じております。まだまだやることはたくさんありますが、私自身は年間130日超の出張を継続し、お取引先、各地の従業員との交流を続けております。

ハロウィンでは自ら「一番搾りに」
ー経営において特に力を入れていることを教えてください。
お客様を一番に考える会社になること、そして、従業員がキリンで働くことやブランドに誇りを持てる会社を目指しています。「競合他社ではなくお客様を意識しよう、お客様に我々から近づこう」と常々言い続けています。
また、弊社はダイレクトマーケティングによって、キリンにしかできない特別な商品の価値を直接お客様に伝えていく試みを徹底的に行っています。例えば、お客様と直接触れられる様々なイベントに参画。全従業員がお客様に直接語る活動の実践は簡単ではありませんが、私自身が先頭に立って動けば必ず成功すると確信しています。現場に赴き、お客様の行動、気持ちがわかるようにならないと、良い商品開発も企画もできません。現場主義に立脚すれば、お客様のインサイトを読み解きながら、キリンが役立てる数少ない機会を見逃すことなくキャッチアップ可能です。「経営者が現場にやたらと行くのはどうか」という考え方もあると思いますが、現場を知り過ぎて困ることは一つもありません。これからも中国各地の現場を駆け巡ります。
それから、従業員のモチベーションやエンゲージメントを高めることも重要。ビール販売は仕事としてやらなければなりませんが、「とにかく売りなさい」ではダメです。自分の仕事が世の中にいかに影響し、社会の課題解決に繋がっているのか、そうした意義を感じないとモチベーションが続かないと思います。「仕事の意味づけ」を若い従業員に考えさせることができるか否かは、リーダーのパフォーマンスに大きく影響することになりますね。仕事への情熱を引き出すには、チャレンジングな目標設定や、自己成長、組織への貢献を求めることも必要です。厳しくて温かい会社を目指しています。
ーお勧めのビールの飲み方は。
ビールの注ぎ方に「三度注ぎ」というものがあります。「三度注ぎ」で泡だてた泡にも注目することで香りや苦味、味の変化を楽しむことができます。泡をシャーベット状にしたフローズンビールは最近中国の若い人に支持されてきています。ほかにも黒ビールを使ったハーフ&ハーフといった飲み方もお勧めです。比率を自分の好みに合わせて変えるのもいいですし、黒ビールを先に注ぐのと後から注ぐので泡の色が異なるので、順番を変えることで楽しみも広がります。
ー読者へメッセージをお願いします。
「嬉しい時、楽しい時、悲しい時、辛い時、キリンがいつも寄り添っているといえる存在」でありたいです。中国のお客様や社会から必要とされる会社であるためにできることをこれからも続けます。一番搾りを中心にしながらも新商品や飲み方、クオリティーを伴ったビールライフスタイル・豊かな時間をお届けいたします。
[麒麟(中国)投資有限公司]
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