湖北省武漢市にある武漢生物工程学院で先日、イナゴの試食会が開かれた。主催したのは、校内の起業コンテストに参加したプロジェクト「イナゴ食品」のメンバーで、“イナゴの屋台”の開店を目指している4名の学生。ピリ辛イナゴ、イナゴの唐揚げ、イナゴの唐辛子煮、イナゴ入り焼き餃子などさまざまな料理が登場し、2kgのイナゴが1時間半で完食された。
イベント開始時には、眺めるだけで試食する勇気がなかった学生たち。しかし、主催者の謝陽さんと劉星辛さんが何度も食べてみせると、イナゴの味に好奇心をもった度胸ある学生が試食。「サクサクとして口当たりがよく、揚げたエビとほとんど変わらない」とおかわりをした。イナゴ料理を何匹も食べていたのは、天津市出身の学生。イナゴは天津の名物料理の一つで、毎年秋頃になるとイナゴの行商人が街の至るところに姿を現す。「故郷の味を思い起こさせてくれ、とても温かな気持ちになる。天津の人がイナゴを食べるのは、武漢の人が鴨脖子(アヒルの首肉)を食べるのと同じだ」と彼は言う。謝さんによると、「イナゴはネットを通じて専門の養殖業者から購入した食用のものを使用。衛生面での安全を保つため、調理前に熱湯に浸して殺菌処理をおこなっている」とのこと。また謝さんが在籍する園林学科の教授が自宅のキッチンを提供し、専門的なアドバイスをおこなったという。
今回の試食会の目的は、多くの人たちにイナゴを理解してもらい、食用を推し広めること。そして先生や学生たちにイナゴの食用が受け入れてもらえるか、市場調査の意味合いもあるという。受け入れ度が高ければ今後、彼らは学校の周辺に土地を借りてイナゴを養殖し、校内で“イナゴの屋台”を開く計画があるとしている。【長江網5月15日 転載】

