海外を旅したら、その土地の名物を味わいたいもの。しかし、どんなにおいしくても紅焼肉（ホンシャオロウ）など甘く濃厚な味付けばかりでは飽きてしまう。もっと落ち着く上海ならではの味が食べたい方におすすめなのが、虹口に店を構える、上海郊外の島、崇明島の郷土料理専門店、瀛洲客（インジョウクー）だ。
渡り鳥が飛来する、のどかな農村として知られる崇明島。そんな土地ならではの素朴な味が人気を呼び、連日多くのゲストでにぎわっている。
崇明島料理の特徴は、素材の風味を生かした味付け。河エビ、蟹、魚などの魚介や地鶏や羊、山芋や金絲瓜など崇明島特産の野菜は隔日で島から直送される。また、漬物やタレは全て崇明島出身の料理長による自家製だ。
同店で必ず一度は味わいたいのが、一品で崇明島特産の魚介を余すところなく味わえる看板メニー、漁舟唱晩。河エビ、タニシ、蟹、数種類の川魚をじっくり煮込んだ一品だ。魚介のエキスがしみた煮汁にふっくらした魚の食感、ほのかに辛い味付けでごはんが進む。
また、海鮮だけでなく羊も崇明島の名物。まずは、引き締まった赤身と濃厚な脂身のコントラストがたまらない崇明羊肉紅焼肉で味わってみよう。
その他、地鶏を一羽丸ごと煮込んだ招牌散養鶏湯（158元）や山芋を甘辛く煮た紅焼毛薬（28元）、河エビのスープでナスをやさしく煮込んだ茄扁豆小白蝦（28元）など農家風の料理が人気を集めている。
魚介を主とした食材と素材を生かしたあっさり風味は日本人好み。店内の調度は落ち着いた雰囲気で統一されており、訪れる者の心をゆったり癒してくれる。
