日本でも大手美容クリニックで副院長を務めたという井上祐一医師が診察を担当するサクラガーデンクリニックの医療美容科。今月はやっぱり気になる、ほくろとシミについて井上医師にお話を伺った。
ー鼻に大きなほくろがあるのがコンプレックスです。目立たなくする方法はありませんか?
ほくろは顔の印象を決定する大きな要素の一つです。位置や大きさが気になる場合は、思い切って除去してみてはいかがでしょうか。
ーどうやって除去を
小さなほくろの場合、除去には電気メスを使います。施術はほんの1、2分、極細の針で麻酔を行うため、痛みもほとんどありません。もちろん、施術当日に帰宅して次の日から化粧することも可能です。7㎜以上の大きなほくろの場合はメスで切除したあと、真皮と表皮を縫合します。ダウンタイムは部位にもよりますが、傷口の赤みが引くまでに約3カ月を要します。除去後はダメージを防ぐため、保護テープを貼る必要があります。
ーなぜアフターケアが重要なのですか?
ほくろを除去した後は皮膚が薄くなっているため、次の三つの原因で肌が傷つくと色素が沈着し、黒く跡が残る可能性があります。①紫外線によるダメージ②手術跡からのバイ菌が入ったことによるダメージ③物理的ショックによるダメージ(ぶつかる、こするなど)そのため、施術後は肌が深層部まで回復するまで、2〜3カ月程度テープを貼って患部を保護する必要があります。
ーせっかく除去したのに跡が残ったら元も子もないですものね。「ほくろは放置すると病気になる」と聞いたのですが、本当ですか?
おそらく、それは悪性のほくろを指していると思います。悪性のほくろは放置すると皮膚の内部まで浸透し重大な疾病に発展することがあります。急にほくろが大きくなったり、形が崩れたりしたら要注意です。ただ、「放置すると病気になる」はちょっと大げさです(笑)。大きさや色が気になる場合は専門医に相談することをおすすめします。
ー日本人の患者さんの大部分はシミに関するお悩みで来院するそうですね。
シミは一般的にはフォトフェイシャルという強い光を当てる治療法でメラニン色素を破壊して治療します。肌へのダメージを最小限に抑えるため、短時間で施術できますし、痛みを感じることもありません。
ーエステの広告でもよく目にします。
ただ、フォトフェイシャルは30代以上の女性によく現れるシミの一種、肝斑に行うと逆に黒くなってしまいます。さらに、シミは、複数の種類が混ざり合っている場合が良くあります。なので、安易にエステなどでフォトフェイシャルをするのではなく、専門医の診察を受けることをおすすめします。
ーでは、肝斑はどうやって治療するのですか?
肝斑がある方の場合、当クリニックでは石鹸を使った洗顔などのスキンケア指導と薬の投与で治療します。シミなどの肌トラブルはスキンケアをきちんと行えば回避できます。特に乾燥しやすい冬は保湿をしっかり行いましょう。石鹸を使って洗顔、洗顔して15分以内に保湿、2種類以上の成分の異なる保湿剤を使うこと、この3つを守ることで肌の潤いはキープできます。当クリニックでは患者さん一人一人の状態に合わせ、最適な治療を提案します。肌のトラブルにお悩みの方はどうぞお気軽にご相談下さい。



