日本でも大手美容クリニックで副院長を務めたという井上祐一医師が診察を担当するサクラガーデンクリニックの医療美容科。今月は最近クリニックでよく見られる症例についてお話を伺った。
ー最近、どんな症状の患者さんがよく来院しますか?
季節の変わり目ということもあり、ニキビなどの肌トラブルで来院される女性の患者さんが多いです。男性はやはり、AGA(男性型脱毛症)ですね。
ーなぜ季節の変わり目には肌トラブルが増えるのですか?
季節の変わり目は気温や湿度が変化しやすく、交感神経が環境の変化に対応できないことでトラブルが起こります。ぜんそくも季節の変わり目に頻発しますが、肌の状態にも同じことが言えるわけです。
ーニキビはどうやって治療するのですか?
よく使われるのがピーリングです。ピーリングは患部に薬剤を塗って皮膚の表面や毛穴にこびりついた古い角質を除去する治療法です。古い角質を取り除くことで肌の生まれ変わり周期(ターンオーバー)を正常に戻します。また、薬剤には殺菌効果と毛穴の詰まりを取る効果があるので、ニキビができにくい肌質に改善する効果もあります。ただ、ピーリングではニキビ跡を改善することはできません。むやみにかきむしらないよう気をつけてください。
ーでは、ニキビ跡はもう治らないのですか?
凸凹になってしまったニキビ跡や開いてしまった毛穴、色素が沈着してしまったニキビには、ダーマローラーがおすすめです。ダーマローラーは極細の針で患部に見えない穴を無数にあける治療法です。針による刺激でコラーゲンの生成を促し、肌の再生を行います。当クリニックでは患者さん一人一人の肌の状態に合わせ、さまざまな治療法を提案します。ニキビに限らず、肌トラブルでお悩みの方
はお気軽にご相談下さい。
ーAGAについてですが、何歳くらいの患者さんが多いですか?
AGAの相談でいらっしゃる方は20代後半から30代にかけての方が多いです。
ーその年齢で発症するんですか?
いえ、AGAは思春期以降から発症してゆっくり進行し、20代後半から30代で髪のコシのなさや薄さが目立つようになります。そのため、早めのケアが欠かせません。AGAは髪の毛が一度に大量に抜けることではなく、毛根の成長サイクルが短くなることを指します。通常、毛根の毛周期は2〜6年程度ですが、AGAの方は1年程度です。
ーAGA対策にスカルプ入りシャンプーなどを使った方がいいんですか?
病院で処方される医薬品ではないので、スカルプ入りシャンプーで目に見える程の効果が得られるとは考えにくいです。でも、こまめに髪を洗って毛根の環境を清潔に保つ事やヘッドスパで頭皮の血行を促すのはAGA対策として有効です。ただ、頭皮を刺激しようとしてゴシゴシ爪を立てて洗ったりするのは逆効果なのでやめましょう。
ークリニックでの治療法は?
AGAの治療には、内服薬、塗り薬、メソセラピー(成長因子の注射)、植毛の4つがあります。よく使われるのは内服薬と塗り薬で、6カ月ほどの治療で症状は好転します。当クリニックでは患者の症状に合わせて治療を提案させていただいています。




