「シーズンズ」に中価格帯ホテルが主流に
ホテル業の華住は、同業の美林閣の格安ホテルを長期借入契約で獲得、中価格帯ホテルにリニューアルする。豪華ホテルと格安ホテルの低迷が続く中、ホテル経営者は中価格帯ホテルへの投資を検討し始めている。
300室の3軒を獲得
美林閣は数年前、格安ホテル「モーテル168」に投資したが、その後の格安ホテルの合併ラッシュで、立地がよい3軒以外の同ブランドは如家に買収された。約300室を有する、この残り3軒も争奪対象になり、2014年12月9日、華住が長期借入契約を締結。1億元超を投資し、中価格帯ホテル「全季(シーズンズ)」にリニューアルする。
華美顧問機構首席アナリストの趙煥焱氏は、コストの高止まりで競争が激化し、格安ホテルのRev PAR(客室あたりの売上)が低下していることを挙げ、「投資回収期間はもとの3年から最低5年となり、利潤を上げるのは困難となった」と指摘。一方の高価格帯ホテルについても、「八項規定(政府による贅沢禁止令)が打ち出されたため、多くの高価格帯ホテルの業績は50%減少した」と述べ、中価格帯ホテルに注目が集まり始めた背景を説明した。
錦江之星や7天ホテルも
華住創始者の季琦氏は中価格帯ホテルの開発に乗り出した理由を、「企業の出張費削減で需要が高まったため」と述べた。14年9月までに華住が開業したホテルは1849軒。14年は第3四半期までに前年同期比40%増の424軒を新設した。14年末までに傘下のホテルは2000軒に達する。
錦江之星や7天ホテルも中価格帯ホテルブランドの開発を行っている。鉑涛ホテルグループはヒルトンホテルグループと中価格帯ホテルの「ヒルトン歓朋」を設立する見込みだ。有識者の多くは、中価格帯ホテルが格安ホテルを買収・合併する動きは止まらないだろう、としている。【第一財経日報12月10日】

