中国庭園の「拙政園」「留園」など数々の世界遺産を有する上海のお隣、江蘇省蘇州市の蘇州市文化広電・観光局が「中国に来たら蘇州へ」と題した旅行者誘致キャンペーンを実施中。今回はJTBと共同で年越しイベント「寒山寺新年スペシャル体験」ツアー参加者を募集している。
ツアーは12月31日の午前中にバスまたは高速鉄道で上海を出発。寒山寺で精進料理のランチを食し、書道や無形文化遺産の「蘇州刺繍」「木版印刷」を体験する。夜はホテルで年越しそばを食べた後、メインの寒山寺年越しイベントへ。1500年余りの歴史を持つ古寺で除夜の鐘を聞きながら新年を迎える、風情ある年越しは中国滞在の思い出になるはず。直接蘇州から参加の人はイベントの日帰り参加も可。
参加希望者は下記の旅行会社「JTB」まで連絡を。料金は1人880元から。元旦の蘇州イオンモール「初売り」ショッピングもついたバスプランはプラス100元。
蘇州には中国庭園、ローカルグルメなど魅力が盛りだくさん。この機会に蘇州へのショートトリップを企画してみては。
寒山寺で聞く除夜の鐘
寒山寺は南北朝時代の502年から519年ごろに「妙利普明塔院」として建立されたと伝わる仏教寺院。現在の名称は、禅画をはじめとした芸術作品「寒山拾得図」のモチーフで知られる風狂の僧、寒山がこの地に草庵を設けたという伝承にちなむ。日本人には唐の詩人、官僚で政治家の張継が詠んだ詩「楓橋夜泊」によって古くから知られている。境内には多くの詩碑があり、拓本は寒山寺参詣の土産として人気が高い。詩に登場する石造の太鼓橋「楓橋」は現在も寺の北約100mの地点で佇んでいる。
寒山寺 住所：江蘇省蘇州市姑蘇区楓橋路
世界遺産の庭園で心癒す
中国庭園は岩山の假山や水の侵食で穴だらけになった太湖岩などの自然景観、実際よりも奥行きがあるように見せる曲橋や、空間を繋ぐ洞門などの建築物で構成される。配置で設計者の意図を汲みながら鑑賞するのも一興だ。中でも拙政園と留園は北京の頤和園、河北省の避暑山荘とともに中国四大名園に選ばれているほか、市内7つの庭園とともに世界遺産に登録されている。
拙政園 住所：江蘇省蘇州市姑蘇区東北街178号
留園 住所：江蘇省蘇州市姑蘇区留園路338号
石畳を散策、歴史を感じる
蘇州の街中で古都を感じたいなら平江路へ。平江河沿いに延びる約1.6kmの石畳の道で、このうち約1.1kmは世界遺産に登録されている。両脇には石造りの古民家や、古民家を改装したカフェ、レストラン、土産物店、民宿などが軒を連ね、休日は観光客で溢れる。道の中程には世界無形文化遺産に認定された「昆劇」を鑑賞できる「伏羲古琴文化会館」も。
平江路歴史街区 住所：江蘇省蘇州市姑蘇区白塔東路65号
旅の楽しみ、地元グルメ
外せないローカルグルメと言えば「蘇州麺」。あっさりで食べやすく、日本人の口にもよく合うと言われる一品。澄んだスープの「白湯」と濃いタイプの「紅湯」から選ぼう。老舗の同得興精品面館は朝7時から午後1時まで営業。完売時は早めの閉店も。同じく老舗の朱鴻興面館は市内20店舗以上展開。ホテル、観光スポットの近くに多く、見つけやすい。
同得興精品面館 住所：江蘇省蘇州市姑蘇区十全街624号
朱鴻興面館 住所：江蘇省蘇州市姑蘇区宮巷108号
伝統の技を知る
江蘇省は養蚕の一大産地で、古くから絹織物文化の主要地域として栄えた土地。特に蘇州産シルクは美しさ、芸術性や風格を兼ね備え、衣類だけでなく絵巻物の表装にも採用されてきた歴史を持つ。
また蘇州の刺繍技法である「蘇繍」は「中国四大刺繍」の一つ。山水や花鳥などの書画がモチーフで美術品としての価値も高い。
蘇州絲紬博物館 住所：江蘇省蘇州市平江区人民路661号
繍品街 住所：江蘇省蘇州市虎丘区繍品街
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