今年はまた一段と短い梅雨でしたね。そしていきなり夏モード。うーん、相変わらずのこの勢い。嫌いじゃないです。
子供の頃に比べると、やっぱり暑さの質が変わってきたと実感。今日もすでに体感温度が40℃。昔は30℃越えると猛暑だったような記憶があるが、違うかな。
気温は充分過ぎるくらい暑いのですが、経済環境はだいぶ涼しいという声が多いようです。皆さんは如何でしょうか。
■働く意義とは何か
「働くとは何か」「なぜ働くのか」という問いは、誰もが一度は考えたことがある。
しかし、日々の忙しさや成果へのプレッシャーの中で、その問いはいつの間にか棚上げされ、「働くことそのもの」が目的化してしまう。気づけば、始業のチャイムに急かされ、目の前のタスクをこなすことが“仕事”となり、そこに込めるべき意味や納得感は、曖昧なまま置き去りにされている。
私は、「働く意義」とは、単なる労働の対価やキャリアの階段ではなく、より深い“人生との接続点”にこそ存在すると考えている。
言い換えれば、「なぜ私はこの組織でこの仕事をしているのか」「この仕事は、自分の価値観や人生観とどうつながっているのか」を問い続けること。それが、働く意義の核心である。
この問いを軽視した結果として現れるのが、“従属的勤勉”である。言われたことをこなし、評価を得るために動く。こうした行動は一見すると真面目で誠実に映るが、実は非常に脆弱だ。
なぜなら、それは“外発的動機”に支配された働き方であり、「自分自身の納得」や「価値の実感」を伴わないからである。
一方で、「働くことの意味」を自分なりに定義し、それを自分の言葉で語れる人は強い。たとえば、ある管理職はこう語った。
「私は、自分の仕事を通じて“人が自信を持って働ける場”をつくりたい。それが私にとっての働く意義です。」
このように語れる人は、成果や役職といった外的要素に左右されず、自らの信念に基づいて行動を選択できる。だからこそ、逆風にも折れず、迷いが生じたときにも、自らを支える“内なる軸”をもって前に進むことができる。
■「意味の空白」が組織を蝕む
多くの組織で見られるのは、「何のために働いているのか分からない」という言葉にならない虚無感である。この“意味の空白”は、やがて組織の風土そのものをじわじわと蝕んでいく。
たとえば、目標管理が形骸化している職場の多くでは、「目標が自分ごとになっていない」という共通項がある。上から指示されたから、制度としてそう決まっているから、評価のために仕方なく—。こうした動機では、目標は“数字合わせの作業”と化し、働くことの本質的な意味とはかけ離れてしまう。
このような組織では、どれだけ精緻なKPIや人事制度を整えても、エンゲージメントは高まらない。むしろ、“評価のための働き方”が蔓延し、職場には無気力感や閉塞感が漂う。重要なのは、「この仕事を通じて、自分はどんな価値を生み出しているのか」「誰のために、何のために働いているのか」という問いを、現場で対話できる風土をつくることである。
これは決して、大げさな理念教育や啓発ポスターを掲げることではない。たとえば、定期面談で「今の仕事に、あなたはどんな意味を見出しているか?」「それは、自分の価値観とどうつながっているか?」と問いかけること。あるいは、チームミーティングで「自分の仕事が誰にどう役立っていると感じるか」を語り合うこと。小さな対話の積み重ねこそが、働く意義を組織の中に根づかせる礎となる。
■「働く」とは、生きるを拓くこと
私は、「働く」とは「生きるを拓く」営みだと考えている。それは、単に生活の糧を得る手段ではなく、自らの価値観を試し、世界に働きかけ、他者とつながるプロセスそのものだ。
働くことで、人は自分の限界に挑み、失敗し、反省し、成長する。他者と協力し、対立し、また理解し合う。そのすべてが、「自分という存在の輪郭」を形づくっていく。そして、そこにこそ生きる実感が宿る。
もちろん、働く意義に「正解」はない。ある人にとっては、「家族を守るため」という答えかもしれないし、別の人にとっては「社会に新しい価値を生み出すこと」かもしれない。大切なのは、自分自身でそれを問い、言葉にし、確かめながら働くことだ。
問うてほしい。
「私は、何のためにこの仕事をしているのか?」
「私がこの職場にいる意味は、何だろうか?」
この問いには、すぐに明確な答えは出ないかもしれない。しかし、問い続けること自体が、働く意義を形づくるプロセスであり、その姿勢が、あなたの働き方に深みと強さを与える。
働くとは、人生を耕すことであり、他者と世界に意味を投げかけること。そして未来をつくる営みである。だからこそ、すべてのビジネスパーソンに問いたい。
あなたは、何のために働いていますか?
ご意見、お問い合わせは、飯高まで
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