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【BUSINESS INTERVIEW】日中経済協会 上海・成都事務所 所長 信澤 健夫氏

【BUSINESS INTERVIEW】日中経済協会 上海・成都事務所 所長 信澤 健夫氏 漫步创媒Whenever上海
2025-10-15
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导读:中国を含む海外ビジネスの実績を長年積んできた信澤健夫氏は、本年5月より日中経済協会 上海・成都事務所の所長として上海に赴任してきた。

日中ビジネス発展のために

誠心誠意尽くしていきたい

 中国を含む海外ビジネスの実績を長年積んできた信澤健夫氏は、本年5月より日中経済協会 上海・成都事務所の所長として上海に赴任してきた。同協会ならびにご自身の過去、現在、将来展望と日中経済について伺った。

日中経済協会

上海・成都事務所 所長

信澤 健夫氏


のぶさわ・たけお●1986年早稲田大学法学部卒業、総合電機メーカー入社後、半導体事業部門に配属。90~94年ソウル現地法人(販売会社)に駐在。96年には北京に営業事務所を開設、所長就任。2002~04年に日中経済協会北京事務所出向。08~10年クアラルンプール勤務などを経て、18年日中経済協会に入職、総務部長を担当後、25年より現職。


―ご経歴をお伺いします。

 私は、2018年から日中経済協会に在籍しており、これまで東京オフィスにて総務部の仕事をしておりましたが、本年5月より協会の上海並びに成都事務所所長として上海に赴任してまいりました。もともと総合電機メーカーの半導体事業部門で長らく働いており、海外もソウル、香港、北京、クアラルンプールなどでセールス・マーケティングの仕事をした経験を持っております。日中経済協会については、私が当協会の北京事務所に02年から04年の間出向していたことがございます。その縁から、このたび協会で働く機会を得ることとなりました。


―日中関係に多大な貢献をしてきた日中経済協会についてご紹介ください。

 日中経済協会は、日中国交正常化以前から日中間の重要な貿易、連絡パイプ役を担った廖承志・高碕達之助事務所と日中覚書事務所が構築した信頼関係と、様々な連絡業務を継承し発展させるために、国交正常化が実現した1972年11月に、通商産業省や経済界を始めとする各所からの後押しを受け、日中経済界の交流促進を担う公益法人として設立されました。上記事務所をパイプ役として約11年間続いた日中の覚書貿易は、貿易、為替、記者交換、実務連絡など、それぞれの時代背景と両国の要請に適合した方式により、貿易の促進を果たすとともに、国交正常化への過程において、大きな貢献をしてきたので、それを継承する協会の設立は大変意義深いものでした。また、設立後は、75年から日本の経済界を代表する訪中団の派遣を毎年継続し、中国政府の経済関係機関に向けた政策の提言、企業間の交流促進、ビジネスマッチングの支援活動、経済分野の相互理解の促進を一貫して進めてきました。


―協会の上海並びに成都事務所をご紹介ください。

 上海事務所は、中国が改革開放路線を本格的に推進し始めた84年に設立されました。当時は上海市に初めて設立された外国機関の事務所として注目されました。日系現地企業のまとめ役と、上海市ならびに華東地域の地方政府との対外窓口の役割を担ってきました。当協会の上海事務所が、上海日本商工クラブの事務局を、同クラブが2003年に法人化されるまで務めてまいりましたし、現在はクラブの常任顧問を担っております。上海事務所では北海道、石川県、大分県、宮城県の4自治体の出向者を受け入れております。各出向者が経済交流室を設置して友好都市との交流、地元企業の対中進出支援、地元産品の中国展開、中国からのインバウンドの誘致などに取り組んでいます。また、中国が90年代後半から推し進める「西部大開発戦略」に協力するために、99年に成都事務所を設立しました。日本では中国の動きに呼応して「中国内陸開発協力推進協議会」を設立しましたが、その事務局を当協会が担ってきましたので、成都事務所は内陸各地の現地政府との円滑な交流、進出した企業との連携を受け持ってまいりました。成都日本商工クラブの事務局も務めています。


自身の経験から企業の気持ちがよくわかるし、お役に立ちたいと語る信澤氏


―現在の仕事において大切にされていることは。

 人と人の信頼関係を、直接足を運び、顔を合わせて交流することにより築いていくことが大切だと思っております。特に海外で働くほど、このことは大切だと感じております。私は、メーカー勤務時代には半導体の海外部門で長く働き、海外赴任も在籍年数の約半分の15年ほどになりました。中国とのかかわりでは、95年から2000年に、北京の販売事務所をゼロから立ち上げる経験を得ました。当時、TCL、ハイアール、BYDなどがお客様でしたが、商品の生産や納期が間に合わずに、お客様に納期の調整をお願いすることも多々あったのですが、お客様のところに足を運び直接の信頼関係を築いていると、柔軟な対応をしていただくことができました。全国各地にある中国メーカーのお客様を訪問し、細かなことから積み上げていくような活動をしましたが、現在これらの中国のメーカーが世界的な企業に成長したのを見て、多少なりともその発展に貢献できたかもしれない、との感慨があります。02年から04年まで日中経済協会北京事務所に出向しましたが、その時にはSARSを経験しました。北京の日本人会や日本商会と連携して、国立感染症センターの専門家に北京に来訪してもらい、確実な情報の提供や対策を直接説明してもらいました。在留邦人の方々が動揺しすぎないようにするために、信頼できる情報をタイムリーに提供することの大切さ、一つの団体の力ではなく、関係する団体がチームワークを組むことで大きなパワーが生まれることもよく理解できました。


現場で働くことが大好き

直接足を運んで信頼構築


―50年近く継続されている訪中団についてご紹介ください。

 当協会は1975年より、毎年1回経済界の代表団を北京に派遣しており、中国の国家指導者との直接会見を継続して行っています(コロナのため20〜22年は中断)。現在は、経団連・日商・当協会の3団体のリーダーを筆頭とする、様々な経済界のメンバーによる合同の代表団を200人超の規模で組成して、中国の国家指導者との直接会見のほか、発展改革委員会・商務部・工業信息化部との全体会議を開催しております。また、その後地方訪問も行っており、中央から地方までの幅広い人的交流を継続的に築き上げております。私は、この代表団の受け入れを北京事務所出向時代に経験させていただきました。また、東京本部勤務中の18、19年には代表団派遣の仕事に携わりました。3団体のトップだけでなく、様々な企業の経営者の皆様が何十人も参加される代表団であり、各種のロジスティクスに完璧が求められるだけに、細心の注意と周到な準備が求められます。18年に当協会に入り、すぐに代表団の仕事に携わりましたが、02年からの北京事務所出向時代に受け入れサイドの現場を経験させていただいたことがとても役に立ちました。どんな経験が将来、役に立つか事前にはわからないものですが、いつも真剣に取り組むことの重要性をあらためて感じました。


―中国についての感想をお聞かせください。

 現在、中国は経済的には順風満帆とはいい難い時代に直面していると思いますが、中国の人の常に前向きに新しいビジネスに挑戦する圧倒的熱量があれば、必ずや難局も克服していくのではと思っております。本年5月に上海に着任して、フィンテック、デジタル化が想像以上に生活に取り込まれ根づいているのにびっくりしました。操作が簡単であること、セキュリティーもしっかりしていること、そして中国全国で通用することに圧倒されます。デジタル分野だけでなく、AIやロボティクスを始めとするベンチャーが次々と現れており、これらが将来の中国経済の強さの根源になっていくのではと思います。


―週末はどのように過ごしているのですか。

 私は高校、大学時代と合唱をずっとやってきました。早稲田大学の「コールフリューゲル」という男声合唱団に所属していましたが、当時、小澤征爾氏の指揮で歌うという感激の経験があり、すっかり音楽に魅せられてしまいました。上海では仕事以外にも様々な交流活動が活発に行われていることを知り、赴任後に「混声合唱団 上海コールプラタナス」へ入団することができましたので、ここでの活動を楽しみにしています。今後上海で地元の音楽家の皆様とも交流を重ねていきたいと思っております。時間を見つけては、クラシックを中心にゆっくりと音楽に浸っております。


趣味は合唱で、昨年演奏旅行にも出た。ドイツとパリの教会でのひとコマ


―読者に一言お願いします。

 私は現場で働くことがとても好きです。この年齢で再度、上海に赴任できたことを大変嬉しく思っております。当協会には200超の会員企業がいますし、上海にはさらに数多くの企業の皆様が日々事業に取り組んでいらっしゃいますので、こうした皆様のお役に立てるよう誠心誠意努力していきたいと思います。私もメーカー在籍中の若い時代に、海外の事務所長などの経験をさせていただき、様々な問題にぶつかり奮闘してきた経験がございます。企業の皆様と接するたびに自分のかつてのそうした感覚が再び呼び起こされるような思いがします。本当に何らかのお役に立ちたい気持ちでいっぱいです。いつでもお気軽に当事務所にお声をかけていただければと存じます。


[日中経済協会]

上海事務所

住所:上海市長寧区延安西路2201号上海国際貿易中心大厦1601室

電話:021-6275-0088

成都事務所

住所:四川省成都市錦江区人民南路二段一号仁恒置地広場写字楼1505室

電話:028-8620-3380


URL:www.jc-web.or.jp


※インタビュー及び提供資料に基づく情報はすべて取材対象者に由来しており、本誌がこれらの情報の正確性と完全性について、保証するものではありません。


END


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