若者が憧れるスタイリッシュな街として、数多くの映画・ドラマの舞台にもなっている三里屯。日本で言えば、大使館が集まる麻布・広尾に日本有数の歓楽街である六本木の要素を加え、そこに六本木ヒルズと表参道ヒルズを一カ所に集めたような場所だと言えばわかりやすいだろうか?
そんなきらびやかな三里屯VILLAGEやSOHOビル群を一望できるのは、三里屯南街に位置する雑居ビル屋上にあるルーフテラス・バー「kokomo」。
隣接するモダンビルとは対照的に、雑多な雰囲気を残すこの一帯は、古びた低層雑居ビルや公団、個性的なバー、カフェ、各国レストラン、DVD・CDショップなどが立ち並び、毎晩、地元民だけでなく、中国在住外国人や世界各国からの旅行者たちが集まってくる。
この三里屯南街エリアを「北京のお気に入り」として紹介してくれたのは、188センチの長身に細身のスーツがお似合いの土屋建さん(27)。
<推薦人のデータ>
土屋建さん

●北京在住歴 10年以上
●中国を漢字一文字で表すと? 悠
●中国にあって日本にないもの 本能に対する忠実さ
●中国人に見習うべきところ バイタリティ、コミュニティを形成する力
●滞在期間中の中国の変化の中で最も感慨深いところ
最近エスカレーターの列が整っていたりする点
●中国にいるからこそ見えてくる日本のいい点とわるい点
良い点 秩序の良さ
悪い点 秩序、効率の良さを求めた故の止むを得ない窮屈感
●中国(北京)に引かれた理由・中国の魅力
政府のお膝元でありながらこの自由さ
●ずばりあなたにとっての中国(北京)とは?
北京は世界で一番好きな都市!
-- この辺りで気心の知れた友人たちとお酒を飲むのがすごく楽しいです。kokomoから見える景色も好きですね。
ここは、中国でもすごく変わった人たちや人と違う感覚を持っている人たちが集まる場所で、まさしく北京の動物園みたいな場所です。北京という街は、政府のお膝元であるにもかかわらず、文化的な多様性を許容する街で、色んな人たちが集まって、みんなそれぞれ好きなことをやっています。
実は北京って国内の他のどの都市よりもゲイが多く集まる都市としても有名なんです。それだけ文化的にプログレッシブかつ前衛的な街であり、多様性を受け入れられる土壌があるんだと思います。特にこのエリアには、心から楽しもうと思って来ている本能的な人たちが多いので、僕も素に戻って楽しめるし、すごく開放的になれる場所です。
中国の世界への影響力が日増しに拡大する中、日中ハーフということで、日中関係や両国の人々の考え方などについて質問されることが増えてきた。
-- 中国人だけでなく、ありとあらゆる国籍の人々から色々と聞かれますね。みんなすごく興味あるんですよ。中国も日本も今や世界的に大きな影響力を持つ国ですし、両国の歴史や関係性もすでによく知られているので。
中国人にしてみれば日本人はすごくミステリアスな存在です。中国人は本能的なので、ストレートにものを伝えますが、日本人はストレートではないですよね。だから、日本人の行動についても、なんでそうするのかわからないことが多い。
例えば、W杯で日本のサポーターがゴミ拾いをした件も、どういった文化背景があって、なぜこういうことをするのか?誰のために、なんのためにするのか?といったことを聞かれることが多い。そうすると、自分の中でもうまく説明しなければならないという使命感みたいなものが生まれてきます。
土屋さんは将来の夢を次のように語った。
-- アメリカ式や中国式ビジネスマナーなどに触れてきたので、それを活かして会社経営などをやりたいですね。その上で、日本と中国のために何かしたいです。もしかしたら、日中どちらかではなく、第3国で日中両国のために何かをするという選択肢もあるかもしれないと考えています。
どちらかの国にいると、やはり最終的にどちらかに偏ってしまいます。でも、どちらか一方を選ぶことはできないし、どちらの国にも良いところと悪いところがある。お互いの言い分もわかるからこそ、どちらの味方もしたくないんです。
将来、土屋さんがどこの国で、何をしていようと、一旦北京にさえ戻れば、北京の文化的多様性を体現した三里屯南街エリアはいつでも暖かく土屋さんを受け入れることだろう。人生を楽しむことに貪欲で、本能的に生きる人々がそこに集まっているかぎり。
「人民網日本語版」
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