

1989年11月に発足したアジア太平洋経済協力(APEC)は25年が経った今、アジア太平洋地域の21の国と地域が参加する経済協力の枠組となっている。APECは非公式なフォーラムであるものの、この25年の間、中国国民の生活にもさまざまな変化をもたらしてきた。APECは一般国民の生活とも大きな関係があるのだ。
【食品】熱帯フルーツや海外の粉ミルクが手ごろな価格に
アジア太平洋地域の関税が16.9%から5.8%に

中国では現在、東南アジアの果物やニュージーランドの粉ミルク、チリのワインなどが、スーパーでも手に入るようになり、ぜいたく品ではなくなった。その背景では、APECが大きな役割を果たしている。
2003年のAPEC貿易担当大臣(MRT)会合の後、中国はタイと貿易協定を結び、200種類以上の果物や野菜の輸入にかけられていた平均30%の関税がゼロになった。東アジア諸国連合(ASEAN)の自由貿易協定を実施した形の同協定だが、各エコノミーにおいてAPECが果たしている役割は大きい。
【ショッピング】 海外からの商品取り寄せがスピード化
APECの重要な柱は貿易の便宜化促進

米国や韓国、オーストラリアなどの国から数日で商品を取り寄せられるというのは、今では常識となりつつある。参加エコノミーから郵送される商品が早く手元に届くよう、APECが促しているのだ。
APECの重要な柱の1つは貿易の便宜化で、「うち、税関の通関手続きの簡素化が最優先事項」と劉センター長は語る。
APECの下に設置されている税関手続小委員会(SCCP)は、APECメンバーの税関の管理体制を現代化する点で、大きな成果を収めている。APECメンバーである中国の税関も近年、サプライチェーンの連結強化や輸出入・港湾関連手続のワンストップサービス、eコマース(電子商取引)、知的財産権、リスク管理など、APECで度々取り上げられている分野をめぐり、他のAPEC参加エコノミーと意志の疎通を図り、協力を進めている。港での輸入検査や貨物の通関速度の向上、手続きのマニュアル化、事務のぺーパーレス化、法執行基準の相互認定などにより、通関手続きのスピード化、規範化が進んでいる。
APECメンバーが立ち上げている電子ポートのモデルプロジェクトもあり、ハイテクを利用して通関手続きのスピード化が進められている。今年のAPEC会議では、上海自由貿易試験区の電子ポート管理をモデルとした、統一したアジア太平洋地域電子ポートを立ち上げ、アジア太平洋地域の各国が指定する都市を、電子ポートネットワークのメンバーとすることが話し合われることになっている。実現すれば、中国の国民や企業にも恩恵が及ぶことになる。
【旅行】 ビザの取得が一層容易に
APEC観光大臣会合が大きな役割

ABTCは少し遠い話という人も多いかもしれないが、一般人の海外旅行が便利になっている過程でも、APECが大きな役割を果たしている。
APEC参加国のシンガポールやマレーシア、タイ、米国、オーストラリアなどは、いずれも中国で人気の旅行、留学先で、ビジネス目的で訪れる人も多い。APECという枠組みの中で、旅行における協力強化も重要な分野となっており、各国間の旅行を便利にする対策の実施には、APECの役割が決して欠かせない。
劉センター長によると、「APECの下には観光大臣会合が設置されており、その業務グループが観光における協力強化の点で大きな役割を果たしている。海外旅行推進が、APECの今後の目標」という。
その他、経済技術協力もAPECの柱の1つ。劉センター長によると、「通常、ヒューマンリソースの育成や貧しい国への援助、現代情報技術の応用、教育など、具体的なプロジェクトが実施される。特別資金を設けて、これらのプロジェクトが各参加エコノミーで実施されるよう、サポートしている。これまでに、APEC参加国間で実施された経済技術協力プロジェクトは、2200件以上あり、数億ドルが費やされてきた。中国では主に、農村において水利や林業、新エネルギー、環境保護などのプロジェクトが集中的に実施されている」。
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「人民網日本語版」


