
国慶節(建国記念日、10月1日)の大型連休は消費の黄金期間だ。今年の連休期間中、全国では何にお金が使われたのだろうか。中国銀聯の銀行間取引システムとビッグデータプラットフォームから提供された一連のデータから、いろいろな回答を引き出すことができる。

10月7日の午後8時、連休中の銀聯カードによる取引額は5100億元(1元は約17.7円)に達し、前年同期比23.5%増加した。1日のカード利用件数は7218万件で、普段の平均水準を30%以上上回り、今年2番目のピークを迎えた。1番目のピークは9月30日の7458万件だった。
データによると、カード取引金額の上位5省・市は、広東省、浙江省、江蘇省、河南省、深セン市だった。
消費品目をみると、外食費が前年同期比4.8%増加した。銀聯情報総合センターの馬明副総経理は、「消費の規模は前年同期に比べて増加したが、消費1件あたりの金額は減少した。ここから、単位あたりの消費額が減少し、大口消費が減少しつつあるため、一般の人々にとっては外食が消費の主流になりつつあることがわかる」と話す。
ショッピング消費では、スーパーマーケットが引き続き主役の座を占め、消費額は同40.1%増加した。ここから人々の生活に関わりのある日用品の消費が依然として力強さをみせていることがわかる。これと反対になっているのが金の消費で、消費額は同15.7%減少した。馬副総経理は、「昨年には全国で金を争って購入するブームが起こり、比較の対象となる金消費のデータが高くなった。金価格の下落ににともなって、今年は金を購入する人が大幅に減少し、人々は消費の理性を取り戻したといえる」と話す。
消費のデータの中で注目に値するのは、ガソリンの消費額が増加したことだ。取引金額は同26.2%増加し、ドライブに出かける人が増えていることがわかる。ガソリン消費量の伸びが最も大きかったのは西北地域で、人々がますます遠くまで足を伸ばすようになっている。
海外旅行は長期休暇での消費として人気のあるものの一つだ。データによると、東南アジアなどが引き続き人気を集めただけでなく、旅行先が分散する傾向もみられた。消費の伸びが最も大きかったのは韓国で同111%増加し、ドイツの同102%増加、アラブ首長国連邦(UAE)の同88%増加が続く。馬副総経理は、「今年は韓国の伸びが最大で、アジア大会が韓国で開催されたことと関係があるとみられる。UAEの伸びの速さは、UAEが航空ターミナルでありショッピングセンターを擁することと関係がある」と話す。
海外での消費の構造が変化しつつある。馬副総経理は、「これまで、最大の支出項目は団体ツアーの料金とショッピングだったが、現在では楽しむための消費が増加している。注目すべきは、今年は海外でのショッピング消費が減少し、食事や宿泊、レジャーや娯楽などの消費により多くの資金が回されるようになったことだ。海外の個人自由旅行が伸びていることもわかる。中国人の海外旅行はひたすら買い物するというスタイルから、レジャーや体験を重視するものへと徐々に変わりつつある」と話す。データによると、海外での食事・宿泊消費は同52.2%増加し、レジャー・娯楽消費は同56.6%増加したが、ショッピング消費は同30.4%しか増えなかった。馬副総経理は、「海外旅行の目的地がますます多様化しており、これは銀聯カードによる決済方式を取り入れる国が増加していることと切っても切り離せない。銀聯カードの海外での決済環境は改善が進んでおり、人々はますます便利に海外でカードを使って消費ができるようになった」と説明する。
「人民網日本語版」


