

2014年のノーベル文学賞の受賞者が北京時間今日午後7時に発表される。「ノルウェイの森」「1Q84」などで知られる村上春樹氏(65)が、イギリスなどの複数の大手ブックメーカーによる予想で1番人気となる。しかし、村上氏は近年毎年有力候補として挙げられながら受賞を逃している。今年、村上氏の念願はかなうか。
賭け屋の予想でたんどつトップだった
英ブックメーカー(賭け屋)、ラドブロークスの予想では、6日まで例年通り村上氏が断然の1番人気だった。だが8日にケニア出身のグギ・ワ・ジオンゴ氏が倍率4・5倍で1位に浮上。
不安材料は「受賞者の地域バランス」
文学界では今年ノーベル文学賞受賞者について、言語、地域、体裁、さらには年齢から予測が行われている。同賞では2年連続で同じ言語の作家が選ばれるケースは極めて少ない。昨年カナダ人作家が受賞したことから、今年は英文作家が選ばれる可能性は低そうだ。
一方で、アフリカの作家は過去4度しか受賞歴がなく、しかも前回の受賞が2003年であることから、今年は大いにチャンスがあるとみられる。体裁の観点では、長編小説が受賞するケースが極めて多い。しかし、昨年は短編小説に賞を与えるなど、同賞決定機関のスウェーデン・アカデミーは近年、ジャンルの多元化を進め始めている。
作品は「深みに欠ける」?
スウェーデンの評論家からは「(村上氏が最有力候補に挙げられるのは)単に広く読者に喜ばれていることを示すだけのもの。文学専門家のあいだでは『彼の作品は深みに欠ける』と認識されている」との意見が出ている。
ノーベル文学賞を逃す可能性が大きい?
日本を代表する作家である村上氏だが、文学界では「村上春樹の作品は世俗的なため、おごそかで純文学的なノーベル文学賞とは品位が一致しない」との評価も少なくない。さらに、南開大学文学院の陳鵬(チェン・ポン)副教授の見解として、「何度もノーベル文学賞の最有力候補に名が挙がるも受賞を逃している村上氏を支持する声は大きい。だが、一つの地域に受賞者が集中しないようにとの考慮(2012年に中国の作家・莫言がノーベル文学賞を受賞している)から、今年も受賞しない可能性が大きい」と伝えている。

村上春樹の名言
「世の中のほとんどの人は自由なんて求めてはいないんだ。求めていると思い込んでいるだけだ。すべては幻想だ。もし本当に自由を与えられたりしたら、たいていの人間は困り果ててしまうよ。覚えておくといい。人々は実際には不自由が好きなんだ」——「海辺のカフカ」
「死は生の対極にあるのではなく、我々の生のうちに潜んでいるだ」——「ノルウェイの森」
「宗教とは真実よりもむしろ美しい仮説を提供するもの 」——「1Q84」
「文章を書くのは嫌いじゃないんだ。書いているとリラックスする。でも書いている内容はゼロなんだよ。何の意味もない。」——「ダンス・ダンス・ダンス」
「最初からああだこうだとものごとを決めずに、状況に応じて素直に耳をすませること、心と頭をいつもオープンにしておくこと。」——「スプートニクの恋人」
「人民網日本語版」


