

かつて中国では、男性は20歳になると冠をかぶる儀式を行い、成人したと認められた。日本は中国の伝統を今に引き継ぎ、満20歳になると成人式を行い大人になったことを祝う。今月12日は今年の成人式を行う「成人の日」で、在中国日本国大使館は10日、帰国して成人式に参加できない日本人留学生のため、また同い年の中国人学生に日本文化を体験してもらうため、「2015年中日友好成人式」を開催した。会場には両国の若者が集まり、交流を深め、未来への希望を語り合った。

式には日本の木寺昌人駐中国大使、在中国日本国大使館公報文化センターの山本恭司公使、北京市人民対外友好協会の高双進副会長、児童文学作家の鄭淵潔氏らが出席した。木寺大使は新成人の学生たちへの祝辞の中で、「やる気があれば何でもできる。会場にいるみなさんには志を高くもち、輝く未来を作り出してほしい。日中関係もみなさんの前途と同じように、明るい未来を迎えてほしい。感動を共にした仲間の間には親しみの感情が生まれ、争いが起こりにくくなる」などと述べた。木寺大使は1986年に中華全国青年連合会の招きで訪中したことがあり、夫人も84年の日本訪中団3千人の中の一人だ。木寺大使は、「日中の青年達が相互の感動体験をたくさん積み上げて、両国の交流の紐帯とすることを期待する」と述べた。

鄭氏の大人数「自撮り」写真(鄭氏の新浪微博より)
高副会長はあいさつの中で、「両国の青年は中日友好のエネルギーだ。中日両国の明るい未来には若者達の創造が必要で、みなさんが相互の理解をともに増進して、中日友好のタネを広く撒くことを願う。交流が途切れなければ、中日両国の前途はより輝かしいものになると信じる」と述べた。鄭氏は新成人のためにすばらしいスピーチを準備し、「成人した若者達は、成人した後も好奇心を忘れないでほしい」と呼びかけた。また同日の式で「自撮り」する人数の世界最多記録をうち立てたいとして、自らカメラを取り出し会場の新成人たちと一緒に「自撮り」写真を撮った。

中国で人気の高い俳優の矢野浩二氏が特別ゲストとして2年連続で会場に姿を現し、参加した新成人に自分のキャリアを語った。

矢野氏が登場すると、会場にいた中日の青年達から歓声が上がり、熱烈な拍手で矢野氏を迎え入れた。矢野氏がステージに立つと、今度は携帯電話で写真を撮る人が続出。新成人達は中国で活躍する日本の人気者を撮影して記念にし、矢野氏の人気の高さをうかがわせた。矢野氏はスピーチの中で自分のキャリアを語り、日本にいた頃は泣かず飛ばずだったが、1999年に偶然のチャンスから中国のテレビドラマに出演するようになったこと、日本の監督や脚本家に「復讐」してやろう、見返してやろうと決意したことなどを語った。矢野氏は、「『なにクソ』という気持ちで今日までやってきた。『なにクソ』の気概をもって、勇敢に前に向かって進んでほしい」と新成人に語りかけた。

成人式の最後、矢野氏は在中国日本国大使館の木寺昌人大使と夫人、参加者とともに記念写真を撮影をした。式典が終了すると参加者達の求めに応じて個別の記念撮影に応じ、和やかなムードを醸し出した。
「人民網日本語版」


