

便利ゆえに、ついつい手に取ってしまうスマートフォン。今や、IT技術からうける恩恵は多大な物事に好影響を与えている。しかし、長くディスプレイを眺めることで疲れた経験はないだろうか?今回、スマホを長時間使用することで、及ぼす悪影響を紹介する。
体が持たない
■頸椎が変形する

小紅さん(21)は、典型的なうつむき族だ。学校に行けば、うつむいて勉強し、下校すれば、うつむいて携帯をいじり、地下鉄に乗れば、うつむいて韓国ドラマを見る。その後も、家に戻れば、ベッドに横たわりながら本やドラマを見て、トイレに行くときでさえ携帯を放さない。携帯やモバイル機器に絶対的に依存している。旧暦の大晦日、家族と一緒にトランプや麻雀をしながら年を越した小紅さんは、突然めまいやしびれに襲われ、肩の上が固まって、動かせなくなった。奇病に侵されたのかと思い、病院に行くと、頸椎がひどく変形していることがわかった。ハルビン医科大学骨外科の王新涛医師は、「このような症状が出ることは決して偶然ではなく、長期間うつむいて端末を操作することから起こったもの」と説明する。
■小指変形

中国のネット上では最近、「長期間スマートフォンを使っていると、小指が変形する」という説が話題となり、多くのネットユーザーが、「私の小指も変形した」との声を寄せている。この「説」は本当なのだろうか?整形外科の医師に聞いてみた。
北京大学第三病院整形外科の劉忠軍・主任は取材に対して、「変形はありえる」とし、「理論的には、長期間携帯やマウスなどを同じ姿勢で使っていると、指や関節が変形する可能性がある。しかし、それには相当の時間が必要」との見方を示した。そして、「通常、指や関節の不調や痛みを感じるのは、関節付近の筋肉や筋膜で、腱鞘炎のような炎症が起きているため。長期間適切な処置をしないままほっておくと、炎症が何度も起き、変形する可能性がある」としながらも、「ネット上で言われているほど簡単に起きるものではない」と付け加えた。
■不眠に陥る

寝る前に、暗い中で携帯を使用する人は少なくない。しかし、この習慣は睡眠に悪い影響を与える。研究によると、寝る前に明るい光を浴びると、メラトニンの分泌が抑制され、生活のリズムが乱れる。これによって、睡眠の質が下がり、不眠に陥ったり、途中で目が覚めたりする。また、心臓病や脳卒中などのリスクがそれぞれ50%や15%も高くなる。
知能が衰退

カナダ・ウォータールー大学の研究者は660人を対象に、脳の機能や認知能力、言語能力、数値理解力を測定し、スマートフォンが使用者に与える影響を研究した。調査の結果、スマホ使用が長いほど人の認知能力、分析能力が衰退することが明らかになった。一言でいうと、スマホを使えば使うほど、頭が悪くなるということだ。
同研究はまた「この傾向は今後さらに悪化していく」と指摘した。
日常生活に悪影響を

ある研究によると、多くの時間をスマートフォンに奪われると、パートナーや配偶者との関係に悪影響が及ぶことが分かっている。英国のある研究では、現在、多くの人が1日当たり119分を電話に使っている一方、大切な人と一緒にいる時間は97分と、スマートフォンに使っている時間のほうが長いことが分かった。
見た目で損する
■肥満になりやすくなる

シカゴのノースウェスタン大学のある調査は、3時間以上ブルーライトを見続けると、空腹感が増すのではないかという新説を発表しました。
つまり、スマホなどを使えば使うほど、空腹感が刺激され肥満になりやすくなるかもしれないということです。もし本当だとしたら、これは恐ろしいことですね。
■「老け顔」になりやすい

スマートフォンやパソコンなどの情報端末を四六時中見ることで、目はお疲れ状態。ふと鏡を見ると、「あれ?」と思うほど、老け顔になっていることがある。
ビジョン・フィットネスセンター(東京都港区)の中川和宏所長が説明する。
「スマホやパソコンを長時間使用していると、老け顔になりやすい。その理由のひとつは、姿勢に関係しています。情報端末を見るときに、頭を下方面に向ける前傾姿勢を取りやすいでしょう。すると、首の両側の『胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)』という筋肉が、緩むのです。頭を支える筋肉が緩むことで、頬はたるみ、目の筋肉も下がってきます。それが老け顔に結びつくのです。また、『片眼視(かたがんし)』も、顔を歪めて老け顔になりやすい」
年収にも影響

携帯などの電子機器が普及するにつれ、60%がオンラインで娯楽を楽しむようになり「うつむき族」になっている。しかし、オフラインの娯楽にこだわり、「うつむき族にはならない」という人も40%いた。
「非うつむき族」は「うつむき族」に比べて、年収が平均4000元(約7万6千円)多かった。また、「非うつむき族」は「うつむき族」より、美容健康や習い事などにお金を約15%多く費やしていた。一方の「うつむき族」は、「非うつむき族」よりも旅行や家電に約10%多くお金を費やしていた。
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