
中国大陸部と台湾地区の生徒にとって化学の「元素周期表」はなじみ深いものだ。中学・高校時代に必死で丸暗記した人も少なくないだろう。学生に同情して、覚えやすいようにとさまざまな記号の語呂合わせなどを開発して伝授してくれる教師もいたぐらいだ。台湾のメディアが29日に報道したところによると、最近日本のネット伝言板で中国語の元素周期表が転載され、熱い議論が繰り広げられているという。多くの人が「俺が知ってる周期表と違う」「暗記無理すぎワロタ」などと漢字だらけの周期表に驚きを隠せない様子で、「呪文かよ?」と突っ込みを入れる人もいた。
「中国の元素周期表、難しすぎる」日本人の書き込み

「氫鋰鈉鉀銣銫鍅(鈁)」=「H LI NA K RU SE Fr」(水素、リチウムナ、トリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム「鈹鎂鈣鍶鋇鐳」=「Be Mg Ca Sr Rb Ba Ra」(ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム)
中国大陸部と台湾の生徒なら化学の授業で、一心不乱に元素周期表を覚えた経験があるはずだ。しかし高校卒業後に、周期表を今でも覚えている人はほとんどいないだろう。
中国人にとってさえ覚えるのが難しい中国語の元素周期表を見た多くの日本人ネットユーザーは、大きな衝撃を受けたようだ。こんなにも字画が多く、意味を想像することさえ難しい漢字をすべて暗記しなくてはならないことに驚きを隠せない様子で、「将棋…?」「麻雀牌に見えた」、さらには「呪文かよ?」と書き込む人までいた。当然、「日本に生まれて良かった」と安堵の言葉を投稿する人もいた。
漢字だらけの元素周期表は覚えやすい?中国人の言い分は

日本のネットユーザーが目を丸めていることに対して、中国のネットユーザーからは、「そんなに難しい?卒業して10年経っても、スラスラ言える理系の人もいる」、「元素の周期表に過ぎない。なにもそんなに驚く必要はないだろう?」との声のほか、「化学元素自体数が多いのに、繁体字の中国語版を見たら、外国人は戸惑うだろう」と理解を示す声も寄せられた。
重慶出身で、現在は米国ローレンス・バークレー国立研究所で働く黄才利さんは1日、取材に対して、「中国語版の元素の周期表に慣れているから、海外で使うときは、つい中国語で思い出してから、それを英語に訳してしまう。中国語のほうがスラスラ出てくるし、英語版より覚えやすい」と話した。
中国語版の元素の周期表が話題になっていることに関して、西南大学(重慶)化学化工学院応用化学教研室の徐嵐・准教授は「現代の元素の周期表は、1869年にロシアの化学者ドミトリ・メンデレーエフによって提案された。当時既に知られていた元素の性質を示す周期的な特徴が配列されている」とし、「中国語版は、それを翻訳したもの。中国語版が複雑に見えるのは、初期の翻訳の過程で、化学者が、元素の特徴をより良く表すために、元素の化学的、物理的特徴に合わせて、漢字に改良を加え、新しい漢字を作ったから。一方、金や銀、銅など、金属の元素を表す漢字は元々あった漢字」と説明している。
また、徐譲教授は、「漢字は音と形の意味を組み合わせた象形文字で、音節上の特殊なリズムが、元々は単調な元素の周期表におもしろみを加えている。そのため、学生にとっては暗記しやすくなる。しかし、単にまる暗記するだけでは勉強にならない。それをちゃんと理解し、各種元素の規律や実質を探らなければならない」と語った。
外国人の意見:「漢字版は複雑で難しい」
日本の九州出身の範花さんは2年前、中国に留学した妹に付き添って重慶での生活を始めた。日本で現在、中国語版の元素の周期表が話題になっていることに関して、範花さんは、「高校生の時に、化学の授業で元素の周期表を暗記した。でも、日本語版はカタカナで表記され、特別な覚え方もないため、暗記するのは難しかった」と笑顔で語った。
「日本人にとって、中国語の漢字の構造は複雑。比較的簡単な『氦』を例にしても、象形文字の特殊な構造であることは置いておいて、画数だけでも10画以上。一方の日本語では、『ヘリウム』と簡単な文字で表す。『鎳(=ニッケル)』や『鑭(=ランタン)』など、もっと複雑な漢字になると、不思議に感じても普通」と範花さん。
カナダ人留学生のPeterBaiさんも取材に対して、「化学元素の周期表を暗記する特別な方法はない。いつも使っていると、元素の配列や分類も自然と分かってくる。でも、英語版では元素の略語を用いるため、複雑な中国語と比べると、もちろん英語のほうが覚えやすい。中国語が母語でない人からすると、漢字は本当に難しい」と語った。
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