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【現代化の意味を考え直す】日本で深刻化する「無縁社会」

【現代化の意味を考え直す】日本で深刻化する「無縁社会」 人民网日文版
2015-04-16
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导读:米心理学者スタンレー・ミルグラムは1967年、「世間は狭い」ということを証明するために「スモールワールド実験



米心理学者スタンレーミルグラムは1967年、「世間は狭い」ということを証明するために「スモールワールド実験」を実施。ネブラスカ州オマハの住人160人を無作為に選び、「同封した写真の人物はボストン在住の株式仲買人です。この顔と名前の人物をご存知でしたらその人の元へこの手紙をお送り下さい。この人を知らない場合は貴方の住所氏名を書き加えた上で、貴方の友人の中で知っていそうな人にこの手紙を送って下さい」という文面の手紙をそれぞれに送った。その結果42通 (26.25) が株式仲買人の元に実際に届き、42通が届くまでに経た人数の平均は5.83人であった。この実験は、人は自分の知り合いを6人以上介すと世界中の人々と間接的な知り合いになれるという「六次の隔たり」の実証実験として知られる。


同実験は、中国や日本でもよく言われる「縁」を科学的に説明し、社会の中で人と人は必然的に「つながっている」ということを教えてくれる。


しかし、日本の社会では今や「六次の隔たり」が成立しなくなっている。単身世帯が増え、人と人とのつながりが希薄、しいてはほとんどゼロに。このような現象をNHKの番組は「無縁社会」と呼ぶ。


このほど、日本放送協会(NHK)のスペシャル番組をもとにした書籍「無縁社会」が広く関心を集めている。「無縁」とは、日本語では人と人とのつながりがなく、人間関係が希薄な孤立した状態をいう。無縁社会では、老いても手をさしのべてくれる人はなく、孤独死に至る場合もある。


この本によると、日本では毎年約3万2千人が孤独死している。かつては普通の生活を送っていたが、年を取るにつれて徐々に社会から孤立し、最後は孤独のうちになくなったという人々だ。東京都大田区で孤独死した大森さんは、若いときに夢を抱いて秋田県から上京し、給食センターで定年まで真面目に働いた。結婚もし子どもにも恵まれたが、自宅が借金のかたにとられることになると、離婚を迫られて一人暮らしに戻った。年を取り寝たきりになったが、世話する人はなく、最後は孤独死した。日本の地方政府は連日、孤独死した人の情報を告知し、遺体はすでに火葬済みで遺骨の引き取り手を捜しているなどと伝えている。人一人の人生がごく短い告知文に変換されてしまっているようで、その簡潔さとひやりとした感覚に何とも言えない気持ちになる。


「無縁社会」とは一体どんな社会?

では、「無縁社会」とは一体どんな社会のことなのだろう。まず社会の「単身化」だ。国立社会保障・人口問題研究所の推計よると、今、日本の社会では自ら、または強いられて単身の生活を送る人が急増しており、1980年に20%にも満たなかった単身世帯が、2030年には40%近くに上ると見られている。東京・葛飾区の都営高砂団地を例にすると、およそ900世帯のうち、1人で暮らす人は、既に30%に到達。うち85%が65歳以上の高齢者だ。


現在、日本のコンビニやクリーニング店、ファーストフード店などは、配達や荷物引き取りサービスを提供している。パソコンを使ってワンクリックで、または電話1本で、生活に必要なものをすぐに家まで届けてくれ、一層1人暮らしの人に優しい社会になっているのだ。しかし、その一方、人と人のつながりが希薄になり孤独な人が増加。結果、「孤独死」の予備軍の増加をも招いている。


次に日本の社会では「独身化」も進んでいる。50歳の時点で、結婚していない人のことを日本では「生涯未婚者」と呼んでいる。日本内閣府が公布したデータによると、2012年7月の時点で、男性の生涯未婚率が20%に達し、1980年の7倍に増加した。前出研究所の推計によると、その割合は今後急増し、20年後には50歳の男性のおよそ3人に1人が結婚していない社会になると見られている。日本の独身者が急増する原因として2つ考えられる。その1つは上記でも取り上げた、1人暮らしの人に優しい社会的インフラが整備されたことだ。もう1つに、経済的原因が挙げられる。中国には「着る物にも食べ物にも困らないために男に嫁ぐ」という言葉がある。経済の低迷が続く日本の社会は現在、女性の労働力に再び目を向けており、女性にも就職や出世の幅広い機会があるようになっている。そのため、働く女性にも選択肢が増え、ある程度の年齢になったら結婚しなくてはいけないという概念もなくなり、「食べていくために結婚」は必要なくなっているのだ。


最後に、現代社会の人々は親友さえ必要としなくなっていることが挙げられる。近年、日本の社会では、人生の新たな門出となる結婚式の代理出席サービス業者が出現している。もちろん新郎、新婦の代わりではない。新郎や新婦の友人として披露宴に出席するのだ。


経済発展と現代化の真の意味を考え直すべき

日本の専門家は、「孤独死が増加した原因は、現代のライフスタイルや社会環境の変化と密接な関係がある。ある人は失業して家族を失い、頼る人がいなくなった。あるエリートは仕事中毒で家庭を顧みなかったため離婚を迫られた。またある人は若いときにがむしゃらに働いていたり、独身主義を貫いたりしていたが、晩年になると孤独で頼る人がいなかった。現代の社会は人と人との関係が希薄になり、職場の人間関係は退職すればすぐに消失する。一度は家族になっても離婚すればつきあいはなくなり、血縁関係ですら長らく交流がなければいつかは他人になる。無縁社会は争うことのできない事実だ」と述べる。日本の国立社会保障・人口問題研究所の予測では、日本の一人世帯の割合は2035年は37.2%に増加し、「夫婦と子ども」に代わって家族類型の主流になるという。


日本社会はかつては儒教思想の影響を受け、義理や人情が文化を構成する要素になっていたが、このアジアで最も早く近代化を達成した国は、今や伝統的な家庭の崩壊と人情の希薄化という困った局面に陥り、無縁社会へと姿を変えつつある。日本政府は現状を打破しようと試みるが、努力は実を結んでいない。14年の衆議院議員総選挙では、介護が代表する社会問題が争点になった。日本紙「毎日新聞」は、「アベノミクスで潤う大都市の陰で超高齢化、無縁社会が進む」と報じた。


作家の雨宮処凛氏によると、第1次安倍内閣の発足から現在までの8年余りの間に、ワーキングプア、ネットカフェ難民、無縁社会、老後破産などの社会問題がますます深刻になった。現代社会は巨額の富を生み出し、新たな理念も生み出し、人々のライフスタイルを変えたが、高齢者の暮らしを支える基本的な問題は解決しなかった。今の日本では、出生率の低下と高齢化がますます深刻化し、人間関係がますます希薄化し、功利主義的になっている。経済発展と現代化の真の意味をもう一度考え直す時であることは確かだという。


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开设于1998年,涵盖时政、社会、文化、科技等多领域的日语网站(http://j.people.com.cn/)
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