

少子高齢化が進むにつれ、日本の企業は、深刻な人材不足に悩まされている。そして、海外市場に目が向けられているのを背景に、現地の言語と文化を肌でわかっているうえ、日本の文化も理解している外国人留学生が、企業から重宝されるようになっている。
現在、東京の西武信用金庫は、「留学生と中小企業マッチング会」を開催して、留学生の就職支援をしている。日本メディアは、「海外展開を視野に入れる中小企業にとって、チャレンジ精神が旺盛で、自国だけでなく日本の文化も理解している留学生は魅力的な存在。企業の注目を集めるようになっている」と分析している。
最近、亜細亜大学(東京都武蔵野市)と連携して開催された「マッチング会」には、中小企業12社と4大学の留学生38人が参加した。中でも、活気ある中国人留学生が特に注目を浴びた。
「マッチング会」には、粘着シートの製造販売などを手がける会社の社長の姿があり、そしてわざわざ小さな中国国旗の絵をシールで手の甲に写した。中国人留学生が身を乗り出して説明に聴き入っていた。
同社は、中国や韓国などに海外拠点を持ち、5年ほど前から留学生の採用を本格化。留学生の強みは「現地の言語と文化を肌でわかっているし、日本の文化を理解している」ことだという。同社の社長によると、「海外市場を開拓するには、グローバル人材は必須だ」という。
冷たい顔をされる可能性も
中国人留学生はこれまでずっと「優秀、勤勉、努力家」とみなされてきた。しかし、近年、日本の一部の企業に冷たい顔をされることもあった。その原因は次の通りが考えられる。
第一の原因は勉強不足だ。中国人留学生で卒業する時になっても確かな学力・技能を備えていないという人は多く、これでは企業のニーズに対応できない。中国人学生が海外で学ぶルートが増加するのにともない、留学生のレベルにばらつきが生じるようになった。中国でしっかりした学習の習慣を身につけなかった留学生の多くは、「ゆとり教育」が行われている日本に来て、さらに怠けるようになった。アルバイトに忙しく学業をおろそかにする学生もいれば、バイトも勉強も何もしないという学生もいる。日本企業は愚か者ではない。何年経っても何も学ばないような「人材」を欲しがるわけがない。
第二の原因は、留学生がどれくらい日本社会にとけ込んでいるかを企業が非常に重視することだ。中国人留学生はこの点が明らかに不足している。日本の早稲田大学の白井克彦・前総長によると、中国人留学生は考え方が現代的なところに特徴があるが、さまざまな原因により、日本社会と幅広く接触することがなく、日本文化に対する理解も非常に不足しているという。これでは日本企業に適応するのは難しい。
第三の原因は留学生の忠誠心であり、これは日本企業が非常に懸念する問題でもある。中国人留学生を採用し、大量のヒトやモノを投じて人材育成を行ったのに、いよいよ企業のために力を発揮するという段階になってやめてしまった、という経験のある日本企業は少なくない。長期的に活躍するという考えをもたない中国人留学生もおり、日本企業で3-5年ほどの業務経験を積むだけでよいと考える人、国に帰って発展しようと考える人、別の会社で出世しようとする人もいる。こうした人が増えれば、中国人留学生に対する日本企業のイメージも変わり、ついには中国人留学生に門戸を閉ざすようになってしまう。
背景:在日中国人留学生 キャリアを積んでから帰国
中国留日同学総会の汪先恩会長によると、日本に滞在する各レベルの留学生は12万人に上り、すでに卒業している人も含めると、10数万人に及ぶという。汪会長は、「実際、日本に留学した後、帰国する人は比較的少なく、日本に残る人のほうが多い。日本で就職することを選択した人の滞在期間を調査してみると、3~5年間が最も多かった。日本で学業を終えた後、日本で数年間就職して一定の仕事のキャリアを積んでから帰国するというのが、大部分の中国人留学生の第1選択肢になっている」と語る。
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