

5年前、山東省済南市出身の女性、王宝盼さんは中国で安定した仕事を見つけられなかったため、日本に渡って働くことを決意した。現在、数百万円の年収を手にし、横浜に家を買った王さんは、同世代の友人たちから美しくリッチで成功した女性と見られている。
■海外で働く新卒は全体の1割
「国内の競争率があまりにも激しいので、海外で働いて運試しをしてみようと思った」。2013年、日本語と国際貿易の2つの学位を取得した山東大学の黄鶴さんは国内の熾烈な競争を繰り広げる就職希望者の列に加わらずに、日本に渡り、日中合資企業の中国事務の責任者となった。
黄鶴さんと同様、国内の就職の競争率が激化する中、山東省内の一部大学生の視線は海外に向き始めている。山東省商務庁の統計データによると、2014年に山東省が派遣した各種労働者は5万9941人で、うち一部の新卒は卒業と同時に出国し働いている。
在山東省外資系企業が海外で働く職員を求人する際、対象は今年の新卒であることが明確に要求される。主要な要因は多くの海外企業は職員に対する忠誠度の要求が比較的高く、転職経験のない人材を求めるためだ。特に一部日本企業はその傾向が強く、一つの企業に一生働き続ける職員こそが最も優秀だと考えている。さらに新卒は白紙のようなもので、企業が育成し、雇用するのに便利というのもある。これらが、若い新卒が海外企業に人気がある理由となっている。外資系企業は毎年少なくとも山東省内で6000人の新卒需要があり、山東省の海外で働く労働者の一割を占めている。
しかし省内の学生は決して有難く感じてはいないようだ。「山東人は地元意識が強く、別の省で働くことを好む人は非常に少ない。海外であればなおさらだ」と語る済南市商務局の関連部門の責任者は、山東省は人材大省で、海外の就職市場の山東省の大学生に対するニーズは非常に大きいにも関わらず、海外に出る学生は比較的少ない。2013年までに海外に出た人は主に末端産業の労働者が主体となっている。
■海外の営業職年収15(約300万円)-18万元(約360万円)
5年前、山東交通学院を卒業した王宝盼さんは海外での就職を実現させた。実家は章丘にある王さんは日本語学科を卒業した後日本に渡った。レストランの従業員から始め、最終的に日本旗倉言語学院で中国語を教える教師となった。現在の賃金は毎月人民元で約1万8000元(約36万円)だ。後に、経理・会計を独学し、横浜最大の繁華街に家を買った。
海外で就職する人は主に普通の労働者、専門職、高度人材などの3つのクラスが含まれ、海外で就職する新卒は主に専門職に属する。大学生が出国して主に従事する職業はクルーズ船乗務員、客室乗務員、空港職員、高級ホテルの管理者や調理師、看護師、幼稚園、小学校などの中国語教師などだ。
山東国立経済技術協力有限公司の候永智会長は、「済南では、新卒の初任給は約2、3千元(3~6万円)で、海外の賃金は基本的に5倍以上にもなる」として、「アラブ首長国連邦(UAE)に渡り高級ブランドのセールス部門顧問になった場合を例にあげると、毎月1万元(約20万円)の固定給にプラスして売上によってインセンティブがつくので、年収の平均は15万~18万元にもなる」と語る。
■出国はお金を稼ぐためだけでなく、造詣を深めることができる
同じように海外に出る留学と就職とでは何が異なるのか?済南の大学生の海外就職プロジェクト開始記念式典で、留学と就職の違いについて興味を持っている、あるいは海外で留学しようとしている学生が少なくなかった。
候永智氏は、「2つは性質や手続き上において異なる。引き続き造詣を深めたいと思っている大学生にとって、海外での就職は曲線的に造詣を深める目的を達成できる」と説明した。「日本を例に挙げると、現在日本に留学するには複雑な申請手続きが必要であるほか、さらに銀行口座の担保も必要だ。さらに、高額の手続き費用や仲介サービス料も支払わなければならない。学生が大学に合格した後、働きながら学ぶとしても、週に28時間以内しかアルバイトをすることができない。しかし、日本の企業に就職した新卒は仕事の合間や休暇を利用して、日本の大学で修士研修生として学び、学業を終えれば修士研修生の学位を取得することができる。このように働きながら学ぶスタイルは直接日本に留学するよりも費用を節約できるだけでなく、時間も節約できる。
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