
日本では、公共交通機関が極めて発達している。初めて日本を訪れた外国人観光客が必ず利用する公共交通機関と言えば、地下鉄のほか、タクシーが挙げられる。日本では、タクシー運転手は、人々にとても愛され、尊敬を受ける職業なのだ。
「車のドアを閉めてもよろしいですか?」

多くの人が日本のタクシーに抱く第一印象は、その清潔さだ。
中国語でタクシードライバーを意味する「司機」は、日本語では「運転手」という漢字を用いる。「手」という漢字は、中国語では、「何かの事をする、あるいはある技能に長けた人物」を形容する際に「〇〇手」という風に使われ、その種の技能やその業界に対する敬意が反映される。また、このような背景から、日本のタクシー運転手は、いつも皺のないキチンとした制服と手入れの行き届いた革靴を身に着け、首には趣味のよいネクタイを締めている。シャツと上着の間に着用するベストでさえも、きちんと整えられている。さらに、制服とセットの帽子や白い手袋を着用する場合もあり、彼らの身なりは、乗客に対して心地良いサービスを提供しようとする心構えを十分に示している。
道を歩いている時に、タクシーを拾う場合は、手を挙げて空車を止める。車が止まると、ドアが自動的に開く。乗客が車内に乗り込むと、運転手は「ドアを閉めて宜しいですか?」と尋ねる。乗客が同意すると、車のドアはゆっくりと閉じられる。このように、ドアの開閉プロセスにおいて、乗客が自分の手を動かすことは一切ない。
「介護」「防犯」「買い物代行」タクシー
日本のタクシーが提供するサービスは、乗客を目的地に送り届けるという単純なサービスに留まらない。介護タクシー、防犯タクシー、買物代行タクシーなど、さまざまなサービスを提供している。高齢化問題が日に日に深刻化している日本では、「介護タクシー」を利用して外出する高齢者が増えている。タクシー運転手は、自宅まで利用者を迎えにつき、利用者の靴を履かせ、車いすの準備をする。
「防犯タクシー」と呼ばれる警察のパトカーのような仕事をするタクシーもあり、一部の僻地で、1年365日24時間運行している。現地のコンビニで強盗事件が起こった時や、警察と連絡が取れない場合には、このタクシーに救助を求めることができる。このほか、買物の代行、子供の送り迎え、出先で飲酒した後の運転代行、さらには引っ越しのような場面でも、タクシー運転手が活躍する。このような状況から、タクシー運転手に対する日本人の敬意は極めて高く、まるで家族の一員のように扱う。
素敵な選TAXI

日本社会では総じて、タクシー運転手に対する評価が高いことから、彼らを題材とした多くの書籍や映画・テレビ作品が生まれている。
昨年出版された「タクシー運転手になって人生大逆転!」は、ノンフィクションだ。10代で商売を始めた著者は、酒と女と賭け事におぼれ、24歳で自己破産した。その後、芸能界に入り数本の映画に出演、再度創業するも再び倒産。だが、タクシー運転手になってから出会った人や物事で彼の人生は一変、「生き地獄から脱出」したと感じた。
また、人気日本人俳優が主演したドラマ「素敵な選TAXI」や人気小説を映画化した「ねこタクシー」も、日本で大ヒットした。多くの日本人少年の夢は、「大きくなったらタクシーの運転手になる」ことだ。
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