

前もって計画する習慣の日本人からすると、最も難解な中国人の習慣は「突然の連絡」である。
私はかつて北京のある大学で日本語教師をしていた。2限目が終わったある日の午前中、日本語学部の幹部が電話をかけてきて、昼食会に参加できるかどうか聞いてきた。
日本では同様の食事会や会議は普通1週間前には連絡し、皆に時間を空けておかせる。
何日か後に、学部の幹部にこの話題を持ち出したところ、彼は「実は私は日本人の習慣をよく理解していると自負しているのだが、ただあの時の昼食会は上のクラスの幹部が参加する会だったんだよ。その幹部はいつもその場になってから段取りがつくので時間を決めるのが非常に難しいんだよ」と教えてくれた。
その後、私は他の機関で働き始めた。その時初めてあの時の幹部の苦労が理解できた。例えば、日本から来たゲストは中国人幹部と会わないといけないが、幹部の仕事がとても忙しく、時間を決めるのが難しい。そのため、いつも日本から来る1日前にようやく決定する。結局、私も「突然の連絡」をするしかなかった。
なぜ日本人の目には「突然の連絡」が「中国の特徴」と映るのか?
私は中日両国の仕事の進め方が違うからだと考える。
日本では仕事の計画をする際には、長期にわたり綿密に計画を作る。年度計画、月間計画から始まり週間計画に至るまで、明確にかつ具体的に作成する。普通は大きな変化がないので、各人はこれを基に簡単に休暇や個人的な活動を計画できる。
一方、中国では部門に計画があったとしても日本のように詳細ではなく、大まかな計画があるだけで、その場その場で変更になることが多い。中国人はいつも「計画は変化に追い付かない。『柔軟性』をもって仕事を計画しなければならない」と言っている。
私は中国の会社で仕事をした経験がないが、大学と機関は基本的にこのような状態だ。仕事を計画する際に、幹部の発言が大きな影響力を持ち、一年の目標と計画を打ち出す。各部門は幹部の発言中の意向を基に仕事を具体的に計画し、機関の仕事の計画において、普通は仕事の開始時間など細部にわたって細かく言及しない。このことは、各部門が自身の状況に沿って「柔軟に決定」する。このような計画のやり方は「突然の連絡」のベースとなると言える。
中国を理解していない日本人は「中国人の仕事態度は不真面目だ」と決めつける。しかし私から言わせると「これは両国の仕事の習慣が違うだけで、どれが良いとか悪いとか言えない」のである。
綿密に計画する日本のやり方は一年間の仕事の状況を把握するのには比較的良いが、柔軟性にかけ、万が一想定外の案件が発生した際の対応には向いていない。中国のやり方は比較的柔軟性があり、臨機応変に対応しやすい。
中国で生活する外国人として、いつも自分で注意していることは、国によって事情が違い、生活や仕事のやり方も当然違ってくるので、いつもの「日本ではこのようなことは発生しない」とは言うことができない。--特に中国と日本はお互いの違いを尊重してこそ相互に理解することができる。
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