

中国国家観光局の統計データによると、2014年、海外旅行に出た中国大陸部住民の数は初めて1億人の大台を突破した。「海外進出」する中国人が増えるに伴い、「素晴らしい中国人観光客」が、彼らの目指す新たな「国民イメージ」となりつつある。
〇だんだんと姿を消す各種「マナー違反行為」
観光ガイドの米明皓さんは今年、2人から8人規模の仏パリを訪れる自由旅行や出張旅行において、中国人観光客の「マナー」は各段に向上したと感じている。「自由旅行を選択する観光客は、一般的に、欧州文化に対するベーシックな理解があり、文化教育レベルがかなり高く、欧州文化に強い興味を抱いている人が多い。中国人観光客の30%は、パリの博物館や有名人の旧居に対する理解を深めたいと思っている。このような状況は、自由旅行客の基本的素養と文明度がかなり高い事実を反映している」と米さんは指摘した。
米国に公費で研修に訪れている中国人医師の唐子人さんは今年3月末、カリフォルニア州サンディエゴのシーワールドで、突然気を失って倒れた米国人女性に緊急救命措置を施した。義に勇んだ彼の行いは、たちまち広く伝わった。米国人ネットユーザーは続々と唐医師を称賛し、彼のことを「素晴らしい中国人観光客」と称えた。
「唐医師」が、中国人観光客に対して米国人が抱く好感度を高めたことは間違いない。実のところ、中国人観光客の米国旅行は、現地の観光業発展を促し、両国国民の友好的な往来を推進することから、現地政府や住民にあまねく歓迎されている。
〇公益PRと公民教育の徹底
このところ、日本のメディアが中国人観光客の「マナー違反」を報じる記事は、ほとんど見られない。日本を訪れる中国人観光客のマナーに反した行為は明らかに減っている。この背景には、公民に対する素養教育が絶えず盛んになっており、国際プロトコルについて熟知する中国人がますます増えてきたことが一つ。もう一つ、中国政府関連部門と観光業界の努力も、切っても切り離せない。
中国国家観光局駐日本代表処首席代表の張西龍氏は、「きめ細かな業務を貫徹することで初めて、マナー違反行為を減らすことができる。駐日本代表処と日本政府の観光行政管理機関の上層同士が緊密な関係を打ち立て、常にスムーズな意志疎通を維持し、肝心な時に腹を割って話し合い、適格な行動に移すことで、マナー違反行為は、芽が出た時点で摘み取ることができる」とコメントした。
在日本中国大使館と各地の領事館は、24時間サービスホットラインを開設している。在日本中国大使館が開設した微信(Wechat)アカウントは、日本を訪れる中国人観光客にサービスする重要ツールとなっている。微信には、「中国公民出国(出境)観光マナーガイドライン」が掲載されているほか、日本の国情に応じて、不定期に、訪日旅行の注意事項や豆知識を掲載している。
〇中国人が現地の風俗習慣を尊重するようリード
中国公民によるマナー違反行為は、現地の習慣や儀礼を知らないことによって生じるケースが多い。国家観光局は、海外旅行業務に携わる中国国内のあらゆる旅行会社に対して、観光客に「中国公民出国(出境)観光マナーガイドライン」について十分に説明し、外国を訪れる中国公民に、注意事項を理解し、現地の法律・宗教・文化を尊重するよう注意するよう指示した。また、国家観光局と通信キャリアが提携し、中国人観光客がある国に到着した後、携帯を起動すればすぐに、配慮の行き届いた注意事項を確認できるように手配し、誰もが現地の法律・文化・生活・宗教・習慣を尊重できるよう希望している。これらの措置は、マナー違反行為を減らす上で、もっとも直接的かつ効果的な方法だと言えるだろう。
韓国中国旅行社は、韓国を訪れる中国人観光客を受け入れる主要旅行社のひとつ。同社のキム・ソンス(金成秀)代表理事は、「観光ガイドは、観光客が『マナーある旅行』を行う上で、最も大きな役割を発揮する。たとえば、喫煙については、ガイドが前もって『喫煙者』情報を入手することで、ツアー日程の中で喫煙可能な地域を訪れる計画を組み入れることや、灰皿の設置場所をツアー客に事前に知らせることができる」とコメントした。
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