

日本人は食事に対してとてもこだわりがあり、食材もそれぞれの「旬」を大事にし、季節に合った料理を作ることを重視している。「旬」は常にあっという間に過ぎてしまうので、「旬の食材」もまた貴重となる。冬もその例外ではない。冬にならないと収穫できない食材を日本人の繊細な料理法で調理し、冬場に多彩で温かい料理を作り出している。
毎年冬になると、鍋料理は必ず日本人が最も好む料理の第一位となる。スーパーなどでも顧客のニーズにこたえようと、鍋料理の材料が数多く並ぶ。鍋の各種調味料、季節の野菜に冬場しか捕れない魚、キノコ類がそのコーナーのほとんどを占める。日本の鍋は中国の中華鍋同様、家庭における必須アイテムなのである。
日本の鍋は中国の火鍋とやや異なる。まず鍋の材質は非常に地味で素朴な土鍋。重厚でどっしりとしており、色合いも華やかとは言い難いが、純朴な田舎臭さを醸し出しており、その鍋の分厚さは保温に優れている。また各家庭には鍋料理のためのカセットコンロがある。食材は新鮮な魚、エビ、貝類の他、冬の野菜の主流である白菜、ネギ、こんにゃくや豆腐などを煮ながら熱々のうちに食べる。
家庭用の鍋料理の調味料もとても季節感にあふれている。豆乳鍋、ちり鍋、キムチ鍋、水炊き、醤油ベースの鍋、土手鍋など様々な味付けがあり、自分で味付けしてもいいし、先述した調味料を買って帰り、鍋に入れて食材を煮ればすぐに食べることもできる。日本人は冬場の白菜、大根、カボチャは体内の余計な水分を排出するのに良いとしており、これらの食材を好んで鍋料理に入れる。
また冬になると日本人は柚子蜂蜜生姜茶を好んで飲む。この飲み物は冬場になるとスーパーで買うことができ、大瓶、小瓶のパッケージなど種類も非常に多く、冬の間中、人気の商品である。なぜなら日本人は柚子蜂蜜生姜茶が健康にいいだけでなく、便秘防止と風邪予防に有効だと広く信じているためである。この他にも冬場の根菜類はビタミンCが豊富で、血液循環を促すなどの効用があることが研究により発見されており、体を温める野菜として保健機構などが大々的に推奨している。
また「こたつ」を囲んでみかんを食べるのは、日本の冬によく見られる風景の一つである。ただ現在ではいわゆる「こたつ」はすでに電気こたつにとってかわられている。日本人はみかんを食べる時、動脈硬化などの病気予防に効果的ということで、内側の白い皮もいっしょに食べる。日本の愛媛県はみかんの産地で、毎年冬になるとみかん寿司を作って食べる。山梨県ではカボチャのほうとうを好んでたべる。また日本全国で冬至にはカボチャを食べる習慣がある。
数年前まで冬になると焼き芋屋が通りのあちこちに現れ、抑揚のある売り声が冬の到来を告げていたものである。残念なことにこのような風景はだんだん少なくなり、焼き芋もすでに冬場だけの食べ物ではなくなってしまった。このように冬場特有の食べ物はますます貴重になっているのである。
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