

秋葉原のアニメ、家電量販店、免税店に殺到している中国人観光客にとって、「ヨドバシカメラ」こそが家電量販店の最大手のはずだ。この家電量販店に入ってみると、中国のPCメーカーレノボのパソコンが大きな勢力を保っているのを見つけた。(文:陳言・日本企業<中国>研究院執行院長。人民網掲載)
日本の百貨店の1階は一般的に化粧品、ハンドバッグ、靴など良質な品物が売られている。これは百貨店の販売力、顧客誘致力を判断する最もシンプルな基準である。もし多くの人が化粧品をみているのであれば、だいたい優れている店と考えることができる。一方、家電量販店の状況は異なり、携帯やパソコンに頼り、消費者を引き込んでいる。ヨドバシカメラに入店すると、フロアのレジ附近にある広告を見て、各パソコンカウンターを見てみると、レノボが非常に目立つことがわかる。
ここ2年、日本のテレビ番組で最も人気を博したテレビドラマは「半沢直樹」であるが、このドラマを観たことがある中国の読者も少なくないだろう。シンクパッドのノートパソコンが頻繁に映りこんでいるのに気が付いただろう。パソコンに詳しい人は当然これがレノボ傘下のブランドであることを知っている。以前はIBMのシンクパッドだったものが、2004年からはレノボにかわった(2006年以降はIBMマークを使用しなくなった)。2011年、レノボはNECのノートパソコンを買収した。シンクパッドの名前も変更されないままで、日本のパソコン市場も依然としてNECブランド名を使用しているが、すでに事業統合を行なっており、世界各地に広がるレノボブランドと共にレノボのパソコン王国を支えている。
中国の産業発展は欧米と比較して100年ぐらい立ち遅れており、国際産業社会に影響のある工業製品においては近代に入りほぼ空白状態だった。改革開放後にようやく近代的な大規模工業が確立されるようになった。中国の生産能力はたった20年の間に多く分野において生産量の世界一を達成したものの、ブランドの1位を達成したのはまだ非常に少ない。
特殊製品であるパソコンはまず軍需産業として欧米諸国は中国に最も厳しい制限を課したため、独自の道を辿るしかない。次にコンピューター、特にパソコンにおいては日本のメーカーが絶対的優位に立っていた。現在、東芝、富士通、ソニー、パナソニックは日本における主要メーカーであるのだが、日立、キャノン、OKI、シャープ、パイオニア、カシオ等のパソコンを使用したことがあるやや年を取った人は、パソコン分野において日本のメーカーはどれぐらい凄かったかがわかるはずだ。
ところが今や、世界最大のパソコンメーカーはレノボである。同社は2011年にNECのパソコン事業と合弁会社「レノボNECパソコンホールディングス」を設立したのち、日本メディア「日系トレンド」誌は2015年4月20日付の報道の中において「日本の市場シェア率は41.9%を占める」と発表した。当然ながら、日本の市場における日本の消費者感情や習慣を考慮し、依然としてNECブランドを使用しているが、レノボを直接使用する人も相当多く、シンクパッドに加えてレノボ傘下の3ブランドが共同で力を発揮したことで、日本国内において比肩できる他のブランドは存在しない。世界のその他の地域でも競争できる相手はデル、ヒューレット・パッカードしか存在せず、生産量においてはレノボの相手にはならない。
国外において、資本が中国、若しくは企業の大株主が中国であるため、特にブランドの中国属性を強調するべきだろうか?レノボの行動から見ると、そのような必要なない。日本の消費者がNECを好むなら日本ではNECで勝負し、米国の消費者がシンクパッドを好むなら、このブランドを残すが、世界や日本で最も大きな勢いがあるのはレノボであり、認めるか認めないに関わらず、各国で調査した数字が十分な証拠になれる。
関係報道によると、納品の効率を上げるため、レノボグループは一部の製品の生産拠点を日本の山形県米沢市のNEC工場に移すと同時に、顧客満足度を上げようと、アフターサービスの修理も米沢で行うことにした。このほか、2015年、レノボジャパン株式会社はスマホ市場に参入することを発表した。レノボはすでに日本のパソコン、タブレット、スマートフォンなど多くの分野で活躍している。
テレビドラマ「半沢直樹」の中に頻繁に出てくるシンクパッドがレノボの企業イメージ広告なのかどうかについては我々は知る由もない。しかし、日本で様々な会議に参加していると、レノボのパソコンを直接持って会議に参加する人を見かけ、パソコンを開くとレノボのマークが瞬時に目に飛び込んでくる。このような現象がますます多くなってきており、人々もこのことに十分に慣れてきた。
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