
毎年の3月17日は西洋における聖パトリックの祝日、別称「グリーンハットデイ」、欧米諸国の多くの人々が、この日にアイルランドの象徴である緑色の帽子をかぶって祝い合う。
中国では周知のことだが、「緑色の帽子」はあまり人々に歓迎されない意味を持つ。中国以外の国々では、緑色の帽子はどんな風に捉えられているのだろうか。
◇中国…緑色の帽子は男性にとって屈辱

中国人のコンテクストでは、男性が緑色の帽子をかぶることはこの男性の妻がほかの男性と浮気しているという意味合いを持つ。だから、緑色の帽子という言葉は男性にとって極めて屈辱的な表現といえるだろう。とりわけ、古くは、父親を殺された仇と妻を奪われた恨みは男性にとって最も耐えられないものであったとされる。
この言葉は千年を超える変遷を経てきた。例えば、緑色は中国古代において身分の低い者が用いる色だと見なされ、唐と宋の時代では、碧、青、緑の三色を卑しい者の着る服装の色だとされた。また、朱元璋(明の初代皇帝)は娼婦の夫か父親に対して頭に緑色の頭巾をかぶり、腰に紅の褡膊(布で出来たベルトのようなもの)をつけ、足に豚の革で出来た靴を履くことを命じ、同時に、街道を歩くときには、左右の端に寄らなければならないとした。
これによって、人々は「緑色の帽子」をかぶっている者を見るとすぐに「妓楼一族」の一員だと一目で分かり、「緑色の帽子」をかぶることはこの男性の妻か娘が売春している、または妻が浮気していることの俗称になった。
◇欧米…「グリーンハットデイ」はアイルランドの祝日

西洋では、緑色の帽子には勇敢と歓楽の含意がある。「グリーンハットデイ」の起源は5世紀末のアイルランドまで遡り、アイルランドが聖パトリックを守護したことを記念するため、今ではアイルランドの国家の祝日にまでなっている。また、数百年にわたりアイルランド人の末裔が欧米各国に広まっていくにつれ、この祝日は少しづつ西洋各国共通の祝日にもなっていった。
アメリカは1737年3月17日にこの祝日を始めた。この日になると、アメリカ人の大多数は揃って緑色の帽子を被り、パレートや礼拝、パーティーなどを行う。アメリカにいるアイルランド人はさらにウマゴヤシを身につけ、アイルランド国旗の色(緑と黄色)で部屋を飾り付ける。また、緑色の服装を身に付け、様々な様式の緑色の帽子をかぶり、客にウマゴヤシの飾り物などを贈る。
◇ベトナム…緑色の帽子は戦争の産物

中国とは異なり、ベトナムの男性は特に緑色の帽子を被ることを好む。田舎の道端であろうと、都会の界隈であろうと、また、髪が真っ白な年寄りであろうと、よちよち歩きの男の子であろうと、10人に9人は緑色の帽子をかぶっている。とりわけ、ヘルメット型の緑色の帽子がベトナムの男性の間で人気を集めている。
なぜなら、ベトナムの男性が緑色の帽子をかぶることは、自分の家庭が子沢山で栄えており、さらに金銭的にも権力的にも不自由なく、妻が沢山いることさえも他人に示すことになるからだ。その影響か、ベトナムの市場で売られている緑色の帽子の値段はほかの色よりもずっと高い。
ベトナムは戦争の絶えない国であり、非常に多くの男性が戦争を経験している。
そして、ベトナムは熱帯に位置しており、至る所で熱帯森林が繁っている。そうした環境の中、ベトナムの兵士は敵の銃口が自分の頭部に狙いを付けにくくするために、草木の色と同じ色の素材で帽子をつくり、迷彩として身を守ろうとしたのだ。そのため、緑色の帽子は戦争の産物といえるだろう。
今では戦争は既に過去のものになったが、記念か、ある種の精神を表すためか、緑色の帽子は一種の永遠のシンボルとして色褪せることなく今の時代に受け継がれている。
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