

卒業シーズンの6月と言えば、中国の大学統一入学試験の時期にあたる。大学入試の各受験科目の中で、外国語試験の点数が占める割合はかなり高い。周知しているように、一般の受験生が選択する外国語は英語だが、英語以外の外国語を選ぶ受験生もいる。その中には日本語も含まれている。これらの受験生は中学生の頃から日本語を学んでいるので、受験前にはすでに中学・高校の6年間、日本語を学んでいることになる。では、こういった英語以外の外国語を選択した受験生と英語を選択した受験生の間にはどんな違いがあるのだろうか?当時日本語で受験した人や教材の出版社に話を聞いてみた。
中学・高校の段階で6年間日本語を学んだという北京第二外国語学院日本語科の修士課程大学院生によると、中・高時代、多くのクラスメートが日本の漫画やドラマ、文化が好きで、日本語に興味を持っていたことから日本語を選択したが、皆が皆、希望通りに日本語を学べるわけではなかったという。日本語クラスに入るには試験を受ける必要があり、試験に合格した成績優秀者だけが日本語クラスに編入することができた。同氏は、「英語を選択した受験生と比較すると、選択した外国語の違いから、理解した外国文化や文化の視点も異なる。僕が通っていた学校は日本語クラス以外に、体系的な日本文化のカリキュラムを開設していたほか、日本人の教師が授業を担当していたため、当時見たり聞いたりしたものは他の学校の生徒よりも広範囲にわたっていた」と語る。
また、同氏は、「中学・高校の段階で日本語を学ぶことは非常に面白いが、往々にして非常に大きな学習上のストレスを伴うことになる」と語った。いずれの学校でも大学への推薦入試の枠が限られているほか、この推薦資格は通常の試験結果も加味されるため、毎回の試験で手を抜くことができないからだ。また、少数言語で受験した高校生は後により多くの選択肢を持つことができる。当然、中国国内の大学入試に参加することもできる。ただし、外国語以外の他の試験科目はすべて一般の受験生と同じだが、一部の大学ではこういった英語以外の言語を選択した受験生の受け入れに制限を設けているところもある。このほかに、日本の現地の大学を受験して、日本で留学するという選択肢もある。また、国内の大学に直接、推薦入試で入学する人もいる。
同氏によると、大学で日本語を専攻した場合、他のゼロから日本語を始める学生とは日本語能力にかなりの差があり、日本語を学ぶ上で不便を感じることがあるという。現在、国内では北京外国語大学や北京第二外国語学院といった名門語学大学だけがこういった学生をターゲットにした同時通訳科を開設している。

では、中国国内の中学・高校の日本語教育や教材の使用状況はどうなっているのだろうか?これについて、人民教育出版社に電話でインタビューを行った。
1972年に中日両国が国交正常化を実現すると、実際の必要性から東北や内モンゴル、北京などの中学・高校で自発的に日本語学科が開設され、日本語教材などが独自に編纂された。しかし、教育目的や内容、原則などの分野で統一的な規範に欠けていたため、全国各地の日本語教育や大学受験の日本語の出題などにマイナスの影響を及ぼしていた。このため、中国教育部(省)は1982年11月、人民教育出版社が前段階として大量に行った調査研究や文書起草をベースにして、全国中学・高校日本語教育業務フォーラムを開催し、その後、「中学・高校日本語教育指導要領」を発表した。これが中国の中学・高校における日本語学科の発展に大きく貢献したひとつのマイルストーンになったと言える。日本語学科はここから教育部が推進する教育カリキュラムプロジェクトの中に盛り込まれ、中学・高校の日本語教科書の作成も軌道に乗り始めた。これ以降、人民教育出版社は教育部が発表した関連カリキュラムの基準に基づく全国共通日本語教科書の編纂・改訂の業務を担当してきた。
中学・高校の日本語教育は近年大きく発展しており、現在、新しく開設された日本語カリキュラムの中学・高校も中国各地で増加しつつある。この要因の1つは日本留学のニーズの高まりによるもので、もう1つは実際、日本語を選択した受験生の大学入試の成績が比較的良いことにある。
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