

許源源さん(左から2番目)に資格証明書を手渡す三潴正道会長(一番左)。
北京外国語大学日本語学部で3月29日午前、大学院1年の許源源さんが、「論説体中国語読解力養成講座」の最高レベル30のテストをクリアしたことを示す資格証明書を、「日中翻訳活動推進協会」(通称「而立会」)の三潴正道理事長から手渡された。同資格証明書授与は、「而立会」の会員として認められたことも示す。三潴理事長は、これからも向上を重ね、さらなる上達を目指すよう許さんを激励した。
同講座は麗沢大学の教授である三潴理事長が設置したカリキュラムで、学習者の現代中国語の論説体に対する読解能力や翻訳能力を高めるのが狙いだ。講座は主に通信制で行われ、カリキュラムのレベルは1-30に分かれている。受講者はレベル1から始めて、定期的に問題文を翻訳して送信すると、三潴教授が添削済み答案と解答・解説を返却してくれる。2ヶ月以内に全てのレベル30のテストをクリアした受講者は資格証明書を授与され、「而立会」に加入することができる。今回、中国と日本でそれをクリアしたのは5人で、許源源さんのほか、北京外国語大学日本語学部の教師も含まれていた。
「人民日報」を40年翻訳している三潴教授
三潴教授が「論説体中国語読解力養成講座」を設置したのは若い時に中国を訪問したのがきっかけだという。1977年、東京外国語大学の中国語学部を卒業した三潴教授は初めて中国を訪問。日本青年友好訪中団の通訳を務めた際、中国語の口語と論説体の表現の仕方は全く違い、正確に中国語の論説体を翻訳したり、中国の各方面の情報を理解したりするのが、大きな課題であることに気付いたという。
その頃、三潴教授は大学時代の教師が「人民日報」を翻訳の教材にしていたことをふと思い出した。「人民日報」は、政治や経済、社会、生活などさまざまな報道をカバーし、報道の形式も短いニュースもあれば、深みのある評論もあり、三潴教授が直面していた課題を克服するのに適していた。そして、三潴教授はその日から、「人民日報」を読んで翻訳するようになり、これまで40年間それを続けているという。1日に3本の記事をじっくり読み、その中から毎月8本記事を選んで翻訳している。
「論説体中国語読解力養成講座」で出題される内容は、全て三潴教授が「人民日報」から選んだもの。「『人民日報』を読み、翻訳することで、翻訳のレベルが向上するだけでなく、中国について網羅的に深く知ることができる。これは幸いなこと」と三潴教授。
北京外国語大学の必要にマッチした講座
今回、三潴教授は北京外国語大学を訪問し、許さんに資格証明書を手渡したほか、同大学の日本語学部の学生を対象に3日間の講座を行った。その内容はもちろん、「論説体中国語読解力養成講座」から厳選したもので、学生と三潴教授は楽しく交流し、教室は活気にあふれた。
許さんは取材に対して、「論説体中国語読解力養成講座」の学習プロセスはとても斬新。細分化され、系統立てて学習できるそのスタイルは、難関を突破していくゲームに似ており、少しでも上のレベルを目指そうという気持ちが刺激される」と話した。大学院2年の曾広明さんも、「この講座を通して、新鮮な思いで『人民日報』を見るようになった」と感想を述べた。
北京外国語大学・日本語学部の宋剛准教授は取材に対して、「現在、中国の実力が継続的に強化され、政府が海外進出戦略を実施するにつれ、中国語を外国語に翻訳できる人材の育成強化が急務になっている。当校は普通の授業以外に、このような方法で、外部の資源を効果的に用い、学生に的を絞った授業を受けてもらっている。これはとても意義深いこと。また、当校は中国外交部(外務省)や商務部(省)などの国家機関に人材を輩出しており、『人民日報』を読み、それを翻訳することは学生にとって、政府の方針や経済の動向などの情報に早くから触れ、理解するのに役立つ。これも、当校の需要にマッチしている」との見方を示した。
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