

数多くの茅葺き民家が現存する日本の京都府南丹市美山町北の「かやぶきの里」。定番の観光地では満足できなくなったアジア人観光客たちが急速に増え始めている。日本国内からの写真愛好家だけでなく、茅葺きの家々を背景に自撮り棒で記念写真を撮る中国大陸部や台湾地区の観光客があちこちで見られる。
1日、現地では年2回行われる消防団の一斉放水が実施された。消防の放水銃から吹き出す水柱が曲線を描いて屋根の上に撒かれ、初冬の景色に趣を添えていた。台湾地区台南市から来た会社職員の陳香君さん(32)は放水を見物して、交通が少し不便でもとても満足したと語った。日本の旅行関連サイトやブログに掲載されていた写真に惹かれて、電車とバスを乗り継いで来たとのこと。普段見ることのできない景色は、まるで別の世界に来たようで、とても楽しい時を過ごすことができたと語った。
陳さんはすでに10回の訪日経験があり、京都や奈良の有名な古刹はほとんど観光し尽くしたという。そこで観光客が少なく静かな田舎に行きたいと考えたそうだが、それでも人手は少なくなかったそうだ。

この地は福島大内宿、世界遺産の岐阜白川郷と富士五箇山と共に茅葺き民家集落として有名で、山すそに38軒の茅葺き民家が建ち並び、その多くは江戸時代に建てられている。日本の伝統的な風情を色濃く残しており、水田や山林を含む127.5ヘクタールのこの山村は1993年に国の重要伝統的建造物群保存地区として選定された。
また人里離れた山あいに位置し、京都駅からは約1時間半の距離で、年間の観光客数はわずか30万人足らず。現在もこの地で生活を営む人々がおり、一部の住民は旅館やカフェを経営している。
ところが、約4、5年前ほどから外国人観光客が急激に増え始め、対応措置が間に合っていないのが現状だ。バスも現地に暮らす住民のニーズを満足させるのが精一杯で、約2時間に1本しかない。また休憩室や荷物預り所も無い。
南丹市は近々地区の入り口に多言語による案内図等の設置や関連施設を完備させる計画だ。美山町観光協会の神田衛さん(61)は「現在はほとんどが台湾地区からの観光客ですが、今後は中国大陸部の観光客にも来ていただきたいと考えています。我々は風景をゆっくり楽しむ滞在型の観光モデルをご提供できます」と語った。
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