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【意見】「匠の精神」を追い求め過ぎて衰退した日本の製造業

【意見】「匠の精神」を追い求め過ぎて衰退した日本の製造業 人民网日文版
2016-04-12
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导读:ここ数カ月、中国では供給側の構造改革と関係がある「匠の精神」という言葉が大きな話題となり、政治家や学者、メデ



ここ数カ月、中国では供給側の構造改革と関係がある「匠の精神」という言葉が大きな話題となり、政治家や学者、メディアなどが頻繁にこの言葉に言及している。中国の製造業は、「高品質」へと舵を切り、そのためには「匠の精神」が必ず必要という見方で一致している。しかし、日本の製造業の衰退を見ると、「匠の精神」も適度な位置にとどめておかなければならないという教訓も得られる。(文:蘇清涛。新華網掲載)

 

20年ほど前、世界の家電市場では、日本のブランドがほぼ独占状態となっていた。そして、日本の「匠の精神」を、中国の企業の研究者が模範としてきた。しかし、ここ数年、日本の老舗ブランドの製品は、再起不能の状態に陥っている。

 

日本最大の総合電機メーカー日立製作所で16年働き、現在、京都大学原子核工学、東北大学工学部などの非常勤講師を務める湯之上隆氏は、著書「日本型モノづくりの敗北」の中で、日本のIT製造業の数十年の栄誉と恥辱を振り返り、日本の製造業から4つの教訓を導き出している。うち、▽職人的な精神や技術者の技能に頼りすぎ、製品の標準化と汎用化をおろそかにし、低コストで大量生産する能力が圧倒的に不足していた▽性能と指標を過酷なまでに追求した結果、市場の実際のニーズのレベルを軽視し、必要のないコストを投入し、市場に変化が起きた時に研究開発の中で速やかに製品の調整を行えなかった‐‐の2つは、「匠の精神」と関係がある。

 

筆者は、中国の製造業で働いた経験があり、業務の関係で、日系企業の「匠の精神」を深く体験した。2009-13年の期間、筆者は工業用ブラシを生産する民間企業で、営業の仕事をし、その主なクライアントは外資系企業だった。そして、外資系企業のコスト削減を手助けするため、生産設備の国産化を促進していた。中でも、機械製造系の日系企業に最も受けが良かった。その理由は、日系企業にとって、値段の面で大きなメリットがあったからだ。我が社と取引するまで、日系のクライアントが使っている工業用ブラシのほとんどは、日本から取り寄せていた。品質は中国製よりも良く、寿命も約1.5倍だった。しかし、その値段は、中国製の10倍だった。つまり、コストパフォーマンスは中国製を大きく下回っていた。日本人にも「愛国心」はあるものの、ビジネスとなると、コストパフォーマンスの高い中国製にすぐに寝返る。23年の間に、我が社は中国の主な日系の顧客ターゲットのほとんどを手中にした。

 

クライアントの会社で日本から取り寄せた工業用ブラシを何度も目にした。もちろん、その品質は中国製より高い。それは、高品質というよりは、「芸術品」と言ってもいいほどだ。中国の企業が作る商品の多くは、機能だけに注目し、見た目やそれがもたらす快適度などにはあまり気が配られていない。しかし、日本の企業はその面に工夫を凝らしている。あまりに美しいため、使うのがもったいないと感じるほどだ。しかし、美しさにはデメリットもある。そのような高品質の製品の多くは、従業員の少ない会社で作られ、自動化が進んでいないため、大量生産が難しく、生産コストが高くなってしまう。

 

考えなければならないのは、工業用ブラシは、工場で使う道具の一つに過ぎず、消費財ではないため、外観は重要ではない点だ。全ての商品を「芸術品」のように作る必要はない。職人が緻密さを追求するのはもちろんいいことがだが、クライアンがそれを求めて買ってくれることが前提となる。

 

筆者は台湾系の受託製造メーカー(電子系)で1年働いたこともある。生産において、「完璧」を求めると効率が下がり、多くの浪費につながることを身にしみて感じた。例えば、液晶モニターの外側の色を変えるだけで、「新製品」と見なされ、全てのテストを1から行う。外側とまったく関係のない電子部品であっても、もう一度テストしなければならず、その全てがコストとなる。

 

「匠の精神」があれば、より完璧に近い製品を作ることができる。だが一方で、コスが上がれば收益が減るという法則が働き、品質を一定まで向上させ、「匠の精神」を発揮して「完璧」を求めると、得よりも損のほうが大きくなってしまうだろう。湯之上氏が、「性能と指標を過酷なまでに追求した結果、市場の実際のニーズのレベルを軽視し、必要のないコストを投入した」というのは、そのような意味だ。コストをないがしろにして作った「芸術品」は、「ぜいたく品」に近く、コストパフォーマンスを気にしない大金持ちしか必要としない。市場全体を見れば、コストパフォーマンスを求めないクライアントの割合は非常に低い。

 

経済学者の宋清輝氏は、取材に対して、「中国の製造業は『高品質』へと舵を切る際、値上がりもするということに絶対に注意しなければならない。人々の消費能力は確かに向上したものの、全ての人が高価なものを買うとは限らず、最終的には、高品質で高価となると、供給が需要を上回る可能性が高い。企業がイノベーションを追求しすぎて、市場の実際の状況や消費者の受け入れ能力に留意せずに、一気に先端技術を発展させようとすると、最終的に製品の値段があがるだけで、買い手はつかないという状況になる可能性が高い」と指摘した。

 

そのため、中国の製造業が高級化への転換を図る際には、「匠の精神」を発揮すると同時に、度を過ぎるというリスクにも注意しなければならない。


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开设于1998年,涵盖时政、社会、文化、科技等多领域的日语网站(http://j.people.com.cn/)
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