

記者会見に臨む日本オリンピック組織委員会の森喜朗会長(右)とIOCのジョン・コーツ副会長(資料図)
2020年に開催される東京オリンピックで再びスキャンダルが発覚、暗雲で覆われる事態に陥った。12日付英ガーディアン紙は、「東京五輪招致委員会は、五輪誘致を成功させるため、国際陸上競技連盟(IAAF)のラミーヌ・ディアク前会長の息子であるパパマッサタ・ディアク氏に130万ユーロ(約1億6千万円)を支払った」というスクープ記事を掲載した。仏検察は、現在この真偽について捜査を進めている。
スキャンダルの当事者の一人であるIAAFのラミーヌ・ディアク前会長は、収賄容疑をめぐる捜査のため、フランスから出国することを禁じられている。

ラミーヌ・ディアク氏
ラミーヌ・ディアク前会長は、1999年から2013年まで、国際オリンピック委員会(IOC)の委員を務め、2014年にはIOCの名誉委員に就任した。前会長は昨年11月、ロシア選手のドーピング違反を隠蔽する見返りにロシア側から100万ユーロ(約1億2千万円)の賄賂を受け取ったという疑いが持たれ、IOC名誉委員を辞任し、仏当局の調査を受けた。仏検察は今年3月、2016年と2020年の五輪招致プロセスにまで調査範囲を拡大した。
現時点で判明しているのは、東京五輪招致委員会またはその代理人が、シンガポールの某地下銀行の口座に総額130ユーロを振り込んだという猜疑がかかっていることだ。この銀行口座は、ラミーヌ・ディアク前会長の息子でIAAFのコンサルタントを務めるパパマッサタ・ディアク氏に関係しているという。パパマッサタ・ディアク氏は現在セネガルにいる。

パパマッサタ・ディアク氏
世界アンチ・ドーピング機関(WADA)の授権によって今年1月に発表された調査報告によると、ラミーヌ・ディアク前会長の2人の息子、パパマッサタ・ディアク氏と独立コンサルタントのハリール・ディアク氏、およびラミーヌ・ディアク前会長の個人弁護士はずっと、IAAFの「非公式・違法」な影の権力者として幅を利かせていた。
もう一方の当事者である東京五輪組織委員会は、五輪招致に成功する前後に、この闇口座に複数回送金したとみられる。だが、組織委員会はこれについて「一切関与していない」という立場を明らかにしている。また、同組織員会の広報チームが出張のため1週間不在にしており、コメントできないとしている。
今回明らかになった賄賂スキャンダルについては、電通も関与しているとの疑いが持たれている。同社とIAAFは、2029年までの独占スポンサー契約を締結している。なお、契約期間を2029年まで延長したのは、ラミーヌ・ディアク氏がIAAF会長職を去る直前のタイミングだった。

握手を交わす安倍晋三総理(右)とパパマッサタ・ディアク氏
WADAが独自に取りまとめた調査報告によると、シンガポールの裏口座は、電通子会社の顧問の名義になっており、この顧問は、パパマッサタ・ディアク氏と個人的に非常に親しい間柄にあるという。だが、電通側はこの人物が子会社の顧問であることを否定している。
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