

地元ならではのレストランに行きたいけど、長時間並ぶのはいやという人や、夜食を食べすぎたので胃腸薬がほしい人、観光地のレストランは高すぎるのでお金がもったいないという人など、国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた7連休中に、旅行先でこうした経験をした人は多かったに違いない。そんな場合、スマホでデリバリーサービスを利用すれば、あっという間に解決できる。


あるオンラインデリバリープラットフォームの統計によると、10月1日から3日にかけての3日間、中国全土の人気観光地で観光客100万人以上が観光地でデリバリーサービスを利用した。例えば、浙江省杭州市では、観光客3760人以上が、西湖の断橋周辺で、麺料理の「片児川」をデリバリーで注文した。また、薬をホテルまで配送してもらうサービスの利用が前年同期比で6倍まで増えた。このように国慶節の連休中に、旅行先でデリバリーサービスを利用する「観光地でデリバリー」が新たなトレンドとなっている。
西湖の断橋周辺で約3760人が片児川をデリバリーで注文
オンラインデリバリープラットフォームの統計によると、10月1日から3日にかけての3日間、中国全土の人気観光地で観光客100万人以上が観光地でデリバリーサービスを利用した。ユーザーが普段サービスを利用している都市と、国慶節の連休中に利用した都市を比較して分析すると、杭州を訪問した観光客のうち、デリバリーサービスを最もよく利用していたのは、上海、北京、南京から来た観光客だった。

杭州の各観光スポットのうち、「観光地でデリバリー」の利用数が最も多かったのは西湖断橋、西溪湿地、南宋御街だった。杭州の物流企業の責任者である張飛氏によると、西湖区でデリバリーの注文数が最も多かったトップ3は、西湖断橋の周辺、虎跑、杭州少年宮付近だった。
観光客のデリバリー利用統計を分析すると、杭州で最も人気の観光スポットやご当地グルメのデータもそこから見てとれる。
杭州のご当地軽食のうち、観光客がデリバリーを利用して注文した最も人気の軽食は片児川、葱包烩、荷花酥で、増加幅はそれぞれ24%、82%、61%だった。そのうち、観光スポットエリア内で片児川を注文した観光客は延べ約1万9100人で、うち3760人が西湖断橋周辺で注文していた。
阿里巴巴(アリババ)傘下のO2O関連企業・現地生活サービス公司のパブリック・アフェアーズ専門家・羅南氏は、全国的に見ると、「今年の国慶節の連休期間中、デリバリーの利用が非常に活発で、ほとんどの都市で、利用数の前年同期比増加幅が二桁台に達した。人気観光地でデリバリーを利用するというのも、今年の連休期間中の新たなトレンドとなった。10月1日から3日にかけての3日間、上海の徐家匯では1万人以上が生煎包を、杭州の断橋周辺では3000人以上が片児川を、西安の大雁塔付近では5000人以上が肉夾饃(中国式ハンバーガー)を注文した」と紹介する。
ホテルから医薬・健康関連のデリバリー注文が人気に
前年同期比6倍増
例年と違い、杭州のホテルから利用されたデリバリーを見ると、料理以外の商品の注文数が増加したことは注目に値する。なかでも医薬・健康関連の注文数が前年同期比665%増と、中国全土で8位だった。
陝西省咸陽市から、雷峰塔を見に来ていた男性・馬さんは、「杭州に来て1日目にお腹を壊した。夜中で、しかも知らない街なので薬局がどこにあるかも分からず、デリバリーサービスで下痢止めを届けてもらい、この苦痛から解放された」と話した。
このほかにもホテルからの注文で、コンビニやスーパー関連の商品の注文数が46%、花・植木関連が185%、生鮮食品関連が90%、果物関連が47%増加した。
観光地でご当地グルメのデリバリー注文がトレンドに

中国中央テレビ(CCTV)の経済関連ニュースの動画
今年の国慶節の連休期間中、中国各地の人気観光スポットでは、ご当地グルメを食べながら、観光する観光客の姿が多く見られた。そして、観光客で混雑する観光地で忙しく走り回るデリバリー配達員の姿も数多く見られた。
北京のご当地グルメで有名なのは何といってもレストランチェーンの「護国寺小吃」だ。デリバリー配達員をしている王朋さんはこのレストランの所在地エリアを担当しており、取材に対して、「今年の国慶節の連休期間中、ご当地グルメの注文数が急増した。昨年の国慶節連休期間中の注文数に比べて1日に十数件ほど多かった。また今年は、観光客がホテルから注文することが多くなった。レストランの護国寺小吃や鴨王、京味齋などの注文数が多かった。北京ダックの注文数は1日当たり10件から20件に達した」とし、「普段配達しているのは、シンプル食がメインで、配達先のほとんどがオフィスビル。でも、国慶節の連休期間中は、ほとんどが観光スポットや公園、ホテルだった」と説明する。
観光客の女性・呉さんは、「レストランに行くと、混んでいるし、長い時間列に並ばなければならない。でも、ホテルまで届けてもらうと、時間の節約になる」と話す。
北京護国寺小吃(二七劇場店)の李晖店長によると、「国慶節の連休期間中、デリバリーによる注文が全体の3分の1を占めた。仕込みをする時は、軽食を普段より2倍多く準備しておいた」と説明する。
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