選考会で、警備員の制服姿の許文龍さんは、青いファイルケースを手に、聴衆に自分の経験を語り始めた。許さんは、社会人大学入試を受け、大学に合格。授業の合間に、毎日英語の単語を覚え、3年間で覚えた単語数は1万5000語以上になった。今は流暢な英語で留学生と会話することができる。また、今後の目標について、「来年、学部を卒業して、時間と気力があれば、大学院に進学してさらにレベルアップし、北京大学の教員、学生にもっと良いサービスを提供したい」と語った。
選考会では、許さんだけでなく、他の警備員たちも、自分の「特技」を披露した。例えば、プログラミング言語・Pythonを独学で学び、仕事の効率を大幅に向上させたという警備員もいた。
これらの「特技」を披露する北京大学の警備員を目にしたネットユーザーたちは、「すごい!夢のある人は皆素晴らしい」といったコメントを次々寄せた。
近年、北京大学警備員のこうした人々の励みとなるようなエピソードが数多く紹介され、ネットで大きな話題となってきた。
「社会人大学入試に合格した1人目の北京大学の警備員」
1995年に、「社会人大学入試に合格した1人目の北京大学の警備員」である張俊成さんにも、「地面を掃く僧侶」のようなサクセスストーリーがある。北京大学法学部(専科、短大に相当)に合格し、卒業した張さんは山西省長治市のある中等職業学校の校長になった。そして、この先10年以内に長治市で初めてとなる民営の大学を立ち上げることを計画している。
「中国で初めて本を出した警備員」
山間の農家で育った甘相偉さんは高校を中退して、上海や広州で働いた後、北京大学の警備員になった。そんな甘さんは2008年に社会人大学入試を受け、北京大学の中国語学部に合格した。北京大学で4年学ぶ間に、甘さんは400冊以上の本を読んだ。そして、仕事や授業以外の時間を利用して、その5年の間に見たことや感じたことをエッセイにし、「站着上北京大学」という1冊の本にまとめた。前書きは、北京大学の周其鳳学長が寄稿し、彼も「中国で初めて本を出した警備員」と呼ばれるようになった。
甘さんは自分を「実験体」とみなし、「自分のような平凡な人が、努力をすればどこまで這い上がっていくことができるのかにチャレンジしている」という。
このように、人々の励みとなるようなエピソードを持つ北京大学の警備員はたくさんいる。大まかな統計によると、過去約20年の間に、500人以上の北京大学の警備員が社会人大学入試を受け、中には大専(短大に相当)や大学の学歴を取得したり、大学院に進学したり、さらには、卒業後大学の教員になったりした人までいるという。
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