陝西省西安市にある秦始皇帝陵博物院の文化財保護部には、彩色陶俑修復室と呼ばれる部屋がある。兵馬俑や関連用品が所狭しと並べられているこの部屋の床には、兵馬俑の破片の山がスタッフによる大まかな仕分け作業の後、人体の構造に基づき、人の形に並べられている。その横にある作業場所では、修復スタッフが細い竹串や手術用メス、小さなブラシといった様々な道具を使って、彩色された兵馬俑のかけらの修復作業を行っていた。

秦始皇兵馬俑一号坑遺跡内の兵馬俑(4月26日撮影)。

顔の彩色部分の修復作業を終えた兵馬俑(8月23日撮影)。

秦始皇帝陵博物院文化財保護部彩色陶俑修復室で撮影された頭髪の一筋一筋までよくわかる兵馬俑(8月23日撮影)。

秦始皇帝陵博物院文化財保護部彩色陶俑修復室で、修復スタッフが拓本の技術を使って兵馬俑の胸の甲片に刻まれた「三辛」の文字を写し取っていた。説明によると、「三辛」はおそらくこの兵馬俑を制作した秦代の職人の名前だという(8月23日撮影)。
同院の文化財修復専門家の蘭徳省さんの説明によると、彩色された兵馬俑はどれも出土すると、すぐにX線で傷の有無を調べ、超音波で検査測定を行い、3D画像を集めるなどのプロセスをたどり、それが終わると現状の記録、整理、補強、つなぎ合わせ、補完を行い、さらに製図、保護修復プラン作成、観察などのステップを経て、最終的に考古・収蔵品管理部門に引き渡されて、「身元証明番号」を持った彩色兵馬俑になる。
考古学的研究によると、兵馬俑の衣類・装身具には鮮やかな赤色、ペールグリーン、紫色、青色、暗い赤色など10数色が使われていた。2000年以上も地下に埋もれていたため、火災や浸水などの影響を受け、彩色層は非常に脆くなっている。出土すると湿度と温度が変化して、表面の水分が急速に失われ、あっという間に顔料が反り返ってはがれ落ちてしまう。また微生物や可溶性塩なども、兵馬俑の退色を招く重要な要因だという。
現在、秦始皇兵馬俑一号坑の第3回考古学的発掘作業は終了し、新たなサイクルの修復作業が続けられている。ここ数年間に、蘭氏と彼の率いる修復チームが修復した兵馬俑は140点を超えた。

彩色部分の復元作業が終了した兵馬俑(8月23日撮影)。

秦始皇帝陵博物院文化財保護部彩色陶俑修復室で撮影された襟部分の彩色顔料がかろうじて見分けられる兵馬俑(8月23日撮影)。
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