

あっという間にまた国慶節がやって来た。日本や韓国などの周辺国は、中国人に人気の海外旅行先だ。旺盛な購買力を持つ中国人観光客の到来を前に、これらの国は、▽観光地の受け入れ能力が十分か▽ショッピング中心の観光は単一的過ぎではないか▽国内の観光市場を完備すると同時に、ますます増える中国人観光客にいかに対応するべきか--など、様々な課題に直面している。
日本:観光客受け入れ能力の向上が待たれる
これまで長期にわたり、国別の訪日外国人旅行者数のトップは常に台湾だった。しかし今年1~7月、中国大陸部からの観光客がのべ275万5500人と、昨年の2倍以上に達し、トップに躍り出た。2位は韓国、3位は台湾だった。海外からの観光客は日本経済にプラスの影響を与えているが、急増する観光客に、日本側の受け入れ能力が追いついていないのが現状だ。
日本の一部の空港や港では、海外からの観光客は入国手続きのため1時間も列に並ばなければならない。東京や京都などの人気都市では、ホテルはどこも満室。中国の旅行会社の安いツアーでは、ホテルや交通手段すら保証されず、ショッピングのために「悪徳商店」に連れて行かれるといった事件も発生している。観光バスを運営する福岡地所によると、2014年度、博多港に寄港したクルーズ客船の乗客を乗せた観光バスは4630台と、2013年度の580台を大きく上回った。一部のバス運転手は、観光地で乗客が下車してからクルーズに戻るまでの時間、港の駐車場が一杯のため、福岡市内をぐるぐると走り続けるしかないという。
日本経済新聞は、「より多くの中国人に日本を気に入ってもらうためには、観光客の受け入れ能力をソフト・ハード面から向上する必要がある。例えば中国人観光客にも日本で車の運転ができるようにするなど、関連制度にも変革が必要」と指摘している。
韓国:観光客はショッピング目当て、リピーターが獲得できず
韓国観光公社は、今年の国慶節の連休期間、韓国を訪れる中国人観光客は前年同期比30%前後増加し、約21万人に達すると予想している。中国人観光客の韓国旅行の主な目的はショッピングだ。韓国の化粧品メーカーは相次いで、中国人向けの「中国語メニュー」を作成した。免税店のスタッフによれば、観光客はメニューの購入したい商品にチェックを入れ、数を記入するだけで、レストランで注文するように化粧品を注文できる。このほか、結婚を控えたカップルも韓国に殺到している。主に、結納用のジュエリーや腕時計、高級スーツなどハイエンド商品の購入が目的だ。
韓国の各店舗は中国人観光客の好みに合わせ、各種の割引サービスを打ち出している。しかし、ある韓国メディアは「ショッピング目当ての旅行ばかりでは、リピーターを獲得できない。韓国は、中国人がもう一度訪れたいと感じるような新鮮な魅力を発掘する必要がある」と指摘する。
韓国紙・中央日報は評論の中で、「中国人観光客は韓国でのショッピングに忙しく、観光する時間がない。観光ツアーは実質、ショッピングツアーとなっている。韓国の旅行会社はコストを下回る価格で観光プランを打ち出し、ツアー客に買い物をさせ、店からリベートを受け取って赤字を補っている」と指摘した。

ある専門家は「泥祭りやヤマメ祭りなど、韓国人に人気のレクリエーションが『祭り』に変化した成功例もある。しかし、観光業はショッピングによるリベートを必要としているため、こうしたプログラムは中国人観光客のツアーには組み込まれていない」と指摘する。
ソウルの観光市場研究者は取材に対し、「韓国の観光市場は対外開放されてからまだ数年しか経っていない。大量の外国人観光客、特に中国人観光客に対し、韓国はまだ本当の意味で準備ができていない、あるいは考える暇もない状態だ。今こそ、韓国にはショッピング以外にどんな魅力があるのかを考えるべき時だ」と語った。
ある韓国人ガイドは「多くの観光ツアーがショッピングばかりなのはもったいない。ショッピング以外にも、韓国には風景や民俗、文化など、観光客に知られていない微力がたくさんある。『ディープな旅』を選ぶ観光客が増えることを期待する」と述べた。
本微信号内容均为人民网日文版独家稿件,转载请标注出处。


